「発病してから最初の3年、4年は、自分でも何をやっているか分からないような状態だったのですが、離婚が決まって、下の子どもが我が家にくるとなった時に、パッと正気に返ったのです。自分としては、そういう感じがしていて、スイッチが切り替わったような気がして…。私は病気があるのでおそらく子どもはもう引き取れないだろうと、ちょっと諦めていたのですが、もう一度子どもと一緒に暮らせるという喜びが、大きなきっかけになったと思います。
33歳の時に発病して、離婚したのが37歳の時なので、ちょうど病状が落ち着いてきた頃に、うまく子どもも引き取ることができたと(いうことで)、タイミングも良かったと思います。」
「体調管理はですね、例えてみると、仕事と遊びを1つのお皿に乗せるという発想をしています。実を言うと、自分なりの発想ですけれども。普通の方は、月曜日から金曜日までずうっと働いて、土曜日1日だけ、ストレスを発散するというような生活サイクルでやっていけるのですが、精神病の方は、3時間働いたら3時間遊ぶか休むみたいな、お皿の上に仕事と遊びが両方乗っているような感じで、仕事と遊びを組み合わせるということを生活の中でいつも考えています。
だから、『今、たいへんな授業を3時間やっている。でも、午後からは自由な時間があって、美術館に行こう』とか、そういうことを考えながら(仕事を)しているので、仕事もそれほど苦にはならないです。メインディッシュが仕事とすれば、ドリンクとかデザートが遊び、気晴らしという感じで、必ずセットで考えることがコツかなと思います。
ストレスを発散するのに働いてばっかりいて、1年に1回だけ旅行に行って、発散するというのではなくて、必ず、仕事と遊びをセットで1つのお皿に乗せる。定食でご飯を食べるみたいな感じで、うまくストレス発散をしているということです。」
「人と接する時に気をつけていることは、自分が、偉そうにされてすごく辛かったので、同じ病気の方に接する時には必ず対等な目線でお話するようにということですね。あとは取材の方とか、はじめてお会いする方とか沢山の方ともちろん接触する機会があるのですが、それは社会人の一般常識をもって、きちんと、『ありがとうございます』とか『申し訳ありません』とか、礼儀作法に気をつけるようにして、接しています。」