統合失調症と向き合う

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小沢亜季さん
小沢亜季さん
(おざわ あき)
1976年(昭和51年)生まれ、36歳(収録時)。20代前半に眠れない、食べられないなどの症状が出たことで心療内科を受診するが、症状が悪化し、3年後に精神科を受診。発症前には夫が自死するという体験がある。現在は再婚し、収録直前、障害をオープンにして一般企業で1日4時間週5日の仕事に就いた。
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11診察時のコミュニケーション
Q.医療者とのコミュニケーションでうまくいかないと思うことはありますか

「ありますね。どうしてもやっぱり病気になっている時は、気持ちもふさぎこみがちなので、受診するだけで精一杯という時がやっぱり多々あって、なかなか先生に気持ちを伝えるとか、先生の言っていることを理解するというところまでに至らないことが多々あります。」

Q.コミュニケーションを取る工夫は?

「今の主治医になるのですが、最初に会った時に、即日入院という形での出会いだったので、私のほうとしても、その後先生に何を話していいのかとか、お互い分からなくて…。

先生のほうも、前の主治医だった先生の診療方針をなるべく優先したいということで、お互い手探りの状態だった時に、私がこのままだと、やっぱりより良い医療が受けられないと思った時に、自分の中で、日々の記録として日記をずっとつけているんですけど、その中でより病気に関して、朝何時に起きたというのから、何時に寝る。例えば薬が1日3回なら3回服用できたとか、副作用がこういうのが辛いとか、ほんとに些細なことだけど、例えば楽しいことがあったとか、こういうことが今不安だとかということを、なるべく書くようにして、その書いたものを先生に見せたりして、より深く自分のことを知ってもらうということ。それと、それを見せることによって、先生も一言二言多く言葉をかけてくれることができるようになったので、何かメモして持っていくということは、私の中では、とても大きな役割だと思います。」

Q.日記は自分で考えたのでしょうか

「私は、もともと文章を書くことが好きだったので、誰かに何かを伝えたいという時は、やっぱり今でも手紙を出すということを心がけているんです。その一環というか、その中で、先生に、直接、書いて伝える。例えば、文章が多いとか少ないとか、内容が濃い薄いじゃなくて、その時の感情とかを…。

先生に、より解ってもらうためということと、その時の文字の状態でも、自分が良い時の文字の姿と、ほんとにただ書くだけの時とでは、やっぱり文字の形も違うので、そういうところで、(体調の)良し悪しなどが自分でも分かるので、記録しておくことは大切かなと思います。」

Q.そう思うようになったきっかけがあったのでしょうか

「そういうのができるようになったということですね。今まではやっぱりできなくて、何年も、自分に対しても、自分が納得する医療というのが、やっぱり受けられずに、そのままズルズルきて。で、先生のほうも悪かったら入院すればいい、薬を増やせばいいという診療で。私もずっとそれを通ってきたんです。

けれど、今回の先生の場合は、『薬はもう極限まで減らします。増量することはあまりありません』ということと、できる限り患者さんに寄り添うことを重視してくれると言ってくれたので、その中で、先生とのコミュニケーションを図る意味で、文章を書くということを始めました。」

Q.日記に対する主治医からの反応はいかがでしたか

「最初、『見せてもらっていいの?』みたいなところから始まって、読んでくださいということで、読んでもらう文章にすることによって、先生のほうも、感情で何かものを言うのとはまた別に、文章で冷静になって読んでくださるので、先生の捕らえ方も、たぶん変わってくるのではないのかなと思います。」

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