「いや、何も説明がなくて……。先生との会話というのは、『何か聞こえますか？』と言われて、私は『聞こえます』と答えただけで、それで診察が終わったのですね。その時に、私はまだ病名も知らないし、なぜ私が病院に連れて来られたかという理由も分からないので、ただそれだけ答えて、またタクシーに乗って（家に）帰っていって、そのまま通院しないような状態でした。

（薬は）処方されなかったのです。」

「お薬を飲まないので、たしかに状況は良くならなくて。今度は、家族に暴言を吐き出したりしたのです。ちょっと家族に嫌がらせみたいなことを言ったり、父親に向かって、『死ね、死ね』と言ったり。それが始まって、今度は言葉の暴力であったり、コップを投げたり、そういうことをしたりしていて、ちょっと家の中にこもっていたのですが、こもっている中でも幻聴の声が変わっていくと共に自分の挙動も変わっていって、今度は自傷他害じゃないですけど、他の人に迷惑をかけるという可能性が出てきました。それで、家族が『1回入院させようかな』ということで相談したみたいですね。

（心療内科受診から）1年ぐらい経っていたと思います。33歳の時です。もういきなり精神科病院だったのです。父が親戚にお医者さんがいるから、その人の紹介だったら、ま、大丈夫だろうと言って受診しに行って、そのまますぐ入院だったのです。」