統合失調症と向き合う

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森 実紗さん
森 実紗さん
(もり みさ)
1962年(昭和37年)生まれ、51歳(収録時)。29歳で症状が出て、その後、心療内科を受診するが、約1年後に症状の悪化により精神科病院を受診する。入院の体験は3回。現在は、ホームヘルパー2級の資格を有し、週に1度ピアヘルパーとして精神障害者のホームヘルプを行っている。また、ときどき、講演会などで自身の体験について話している。母親、姉、姪と4人暮らし。
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11コミュニケーション
Q.医師とのコミュニケーションがうまくいかなかった経験はありますか

「それはやっぱりありますね。先生との相性と言ってしまえば相性なのですが、薬合わせの合わない先生に、『(薬が)合わないんです』と、字が書けなくなった時に先生に言ったのです。そしたら『お薬、増やしましょう』と言いはったんですよ、先生がね。『えー?』と思って…。私、字が書けなくて困っているのに、お薬を増やすというのは、どう考えてもおかしいと思って、そこの病院をやめたのです。

『分かってもらえない』というか、医師が処方するので、その先生に通じないのだったら変わるしか仕方がないと思って、他のところに行きました。」

Q.医師にしてもらって役立ったことは?

「役立ったことというのは、やっぱり就労する時に、『あんまり無理しないようにね』という感じで、ピアヘルパーの仕事をする時でも、週3日までにしておいたほうがいいよとかね。

ホームヘルパーの資格を取る時に、ハローワークを通じて応募するので、ハローワークに、就労できるというか受講できるという状態であるという医師の診断書がいるのですけども、それを書く時に、こちらの都合によって先生が対応してくださっているところがあります。」

Q.家族からのアドバイスで役立ったことはありますか

「毎日私のほうが質問をするので、仕事のことも全部相談しますし、人間関係のことも共通の知人がいるので、そういった方のことも相談したりします。

姉は主婦をしていたので、やっぱりお料理でも残り物で作るということをすごくする人だから、私がヘルパーに行く時に、利用者さんのお宅で『残り物で作ってね』と言われた時に、『じゃあ、このお献立を考えて』と言って、その工夫をさせられているということで、ある意味ちょっと厳しいかなと思うところもあるのですが。でも普通の主婦の方でもそういうことはしているから、精神病だからといって過保護になるのではなくて、やっぱり時にはちょっと注意を促してもらうほうがいいのかなと思いますね。」

Q.ご自身が家族との関係で留意していることは?

「うちは家族が4人なので、あまり相手のペースに合わせすぎてしまうと、自分の時間がなくなるし、自分がつぶれてしまうので、ほどほどにしておくということですね。取りあえず、一歩はその相手に譲るけれど、もう一歩は自分の分という感じで…。そうしないと、自分の仕事はやっぱり自分しか知らないものなので。」

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