統合失調症と向き合う

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森 実紗さん
森 実紗さん
(もり みさ)
1962年(昭和37年)生まれ、51歳(収録時)。29歳で症状が出て、その後、心療内科を受診するが、約1年後に症状の悪化により精神科病院を受診する。入院の体験は3回。現在は、ホームヘルパー2級の資格を有し、週に1度ピアヘルパーとして精神障害者のホームヘルプを行っている。また、ときどき、講演会などで自身の体験について話している。母親、姉、姪と4人暮らし。
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10今後の展望や希望
Q.今後の展望や希望などはありますか

「今はとにかく家のことをもうちょっとやりたいというか…。自分がホームヘルパーという資格を取ったのもあるのですけど、自宅をリフォームしたり…、お料理を作ったりするのですが、やっぱりもうちょっと工夫できないかなと。部屋の片付けにしても、何か便利なグッズがあればいいかなとか、何か探しに行ったりとか、自分の生活を楽しむことをしたいです。」

Q.趣味は?

「京都のお寺巡りとかです。ストレスが溜まった時に、ふっとどこかに行きたくなった時に、京都に行くと、お寺に行ったらほっこりするというか、心が落ち着くので。誰もいないところに行って、静かに水の音を聞いたり、鳥の鳴き声を聞いたりして、心が安らぐようにして、またリフレッシュして仕事に行くということをしています。

私が好きなのは無鄰菴(むりんあん)です。小さいところなのですけど、結構お勧めスポットに入っています。東本願寺だったかな、枳殻邸(きこくてい。正式名は渉成園しょうせいえん)も結構梅の花がきれいです。

大阪に、私、住んでいるので、大阪から京都だとほんとうに日帰りで行けてしまうし、1日で気分転換ができるから、お金も使わずに遊べるとてもいいやり方です。」

Q.ピア活動での展望は?

「そうですね、1つ、差別の解消というので、今、大阪で“語り部授業”というのをやっていたのです。それは、学校、小学校とか中学校とか、今は大学の福祉専攻の方のゼミとかに呼ばれて、当事者の人が自分の体験談を話したりする授業だったのですけど。大阪市から予算をもらってやっていたのです。

それをやることが当事者にとってもすごく自己啓発になるし、聞いている生徒さんにとっても、たぶん将来自分が精神病になる可能性がゼロというわけではないと思うので、聞いておいてもらったら、何かの時に、『あの時あんなことがあったな』と思い出してもらえるから、それが生徒さんにとっても救いになるのではないかなと思えるので。そういった啓発授業というのを、やっぱり全国に広めていってもらいたいと思います。」

Q.講演先の学生の反応はいかがでしたか

「高校と中学も行きましたし、大学も行かせてもらったのですけど、とても素直に聞いてくれます。『普通の人だと思った』とか、『偏見とか差別を持っていたけど、ごく普通にしゃべってくれて、良かったです』とか、そういう反応が返ってくるので…。またそういったことも、大学の福祉の先生方が研究してくださっているので、データとしては出ているのですけど。」

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