「そうですね、閉鎖病棟に入る時に、鉄格子の扉を閉められて鍵をかけられるというのがすごく苦痛でしたね。だって、やっぱり鍵は、ほんとうに鉄格子なので牢獄みたいじゃないですか。なんか囚人扱いをされているような感じがしました。

（入院は）3回とも閉鎖病棟です。私はずっと閉鎖（病棟）のままで、外泊とかが入ったりして、外泊の日数が増えてきたら退院です。」

「そうですね、生活のリズムを作ることとか、人とコミュニケーションを取ることなどが、たぶん病院の治療の目的だと思うので…。まあ、患者さん同士仲良くしていたり、暴力を振るわなかったり、雄叫びをあげたりということがなければ、別に看護師さんは何も言われないし、特に何も、干渉という意味では干渉はされなかったですね。

むしろ親切にしてもらったということがあって…。お風呂に入っている時に、髪の毛を洗ってくれたり、経験談じゃないですけど、看護師さんも、『私も今30（歳）だけど独身で働いていてね』と言って話してくれたりとか。そういうのが、すごくいい思い出というか…。

看護師さんでも、やっぱりそういう個人的なこととか辛いこととか言いにくいことを、あえて言ってくれたのは、やっぱり私がそういう立場にいるということをご存知だから言ってくれたのであって、ほんとうはたぶん言いたくなかったと思うのです。でもそういうところで言ってくれた看護師さんがいたので、その辺りから、人生の中の、いい部分ばかりじゃないよというのが分かってきたというか…。」