統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
森 実紗さん
森 実紗さん
(もり みさ)
1962年(昭和37年)生まれ、51歳(収録時)。29歳で症状が出て、その後、心療内科を受診するが、約1年後に症状の悪化により精神科病院を受診する。入院の体験は3回。現在は、ホームヘルパー2級の資格を有し、週に1度ピアヘルパーとして精神障害者のホームヘルプを行っている。また、ときどき、講演会などで自身の体験について話している。母親、姉、姪と4人暮らし。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  >>
9福祉サービスについて
Q.障害年金や障害者手帳は?

「もうだいぶ前に申請しまして、(障害者)手帳も持っていますし、障害年金も。両方とも2級です。

それは、保健所の人から教えてもらいました。福祉サービスのほうからも教えてもらったのですけど、遡及請求(そきゅうせいきゅう)ができる状態とかできない状態とか、そういったことまでは、社会保険庁に電話して聞いたりしました。

年金も、社会保険と国民年金と両方納めていないといけなかったので私は。それをもらえるような条件であるかとか、そういったことを自分で調べたり、人に聞いたりすることからして、すごくややこしかったですし、大変だったのですけど、やっぱり、それも福祉サービスの地活の方に相談に乗ってもらったり、保健所の人にも教えてもらって、社会保険庁にも遡及請求のことを聞いて、それで申請しました。

私の場合、意見書は家族に書いてもらいました。それも保健所の方の勧めで、あなたが書くのではなくてお父さんにでも書いてもらってくださいと言われて。なぜ発症したかといういきさつみたいなことを書いてもらって。医師の診断ももらわないといけないですよね。そういうものもお医者さんに言ってもらいに行きました。

『それでも年金がおりるかどうか分かりませんよ』と言われて、『それでもやりますか?』と聞かれて、『いや、でもやります』と言って。なんかすごく迷うことも多かったのですが。その時に、当事者会の電話相談のところに電話をすると(統合失調症なら100%おります、と:加筆)教えてもらって、すごく安心したりします。みなさんそれぞれに意見を出してくださったり良くしてくれるのですけど、ほんとうの生の声は当事者の方がいちばんよく知っているので、やっぱり電話相談に電話したりもしました。」

精神障害者保健福祉手帳:2年ごとの更新が必要。更新時期の患者さんの状態に合わせて手帳の等級(1級、2級、3級)が決まる。生活保護の障害者加算や税金の優遇措置など、経済的な支援を受けられるようになる他、自治体によって異なることがあるが、交通費、通信費などの負担を軽減できる。
障害年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のことで、障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。障害年金には、「障害基礎年金(1級、2級)」と「障害厚生年金(1級~3級)がある。生まれながらの先天性の障害や知的障害は障害基礎年金の受給対象となる。
遡及請求(そきゅうせいきゅう):障害年金を遡って(さかのぼって)請求すること。

Q.医療制度や福祉制度で望むことはありますか

「医療もそうだし福祉もそうだし、まず私の場合だったら、家にずっとこもりっきりで、そういう場所につながるまでの時間がすごく長かったのですね。4年とかかかっているので、何かもっと早く自分の病気を意識できるようなツールがあったり、精神科の敷居が低くなったり、福祉制度がもうちょっと身近にあったり、そういったことがあれば、もっと早く私は回復できたかなと思います。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  >>