「そうですね、統合失調症だと、自分がなっていると認めるのはすごく辛いことだし、大変なことだと思うのです。でもなんか、それなりの人生もあるというか…。結婚できなくなったり、就職できなくなったり、行き詰ったりすることもあると思うのですけど、やっぱり家族が助けてくれたり、周りの見る目も変わっていくので、自分のほうから決して諦めないでほしいというか…。
病気のことを受容していても、それがハンディであっても、やっぱりそれがすべてではないから、私の全部の人格を見てくださいとかね、そういった気持ちになって、就労とか結婚とかにも臨んでほしいと思います。」
「まあ、受け入れるというか、受け入れたくない事実だったのですが。お薬は飲まないといけないし、自分のことだし、たしかにほんとうに声が聞こえてくるので、それを認めざるを得なくなって、ほんとにもうこれで私の人生は終わったと思ったのです、その時はね。
でも、その時に父親が、『そんなことぐらいで諦めるな』と言って激励してくれましたし、姉も、『敗者復活戦があるでしょ』と言ったのです。
ま、たしかに悪いイメージがあったり、なんかレッテル貼りというのですか?たしかに、すごく悪者というイメージもあるし、何をするか分からない人などと言われますよね。それでも、そう言ってくれる人がいるからやってこられるというか…。
そう思いつつやっていると、『この人頑張ってるね』といって、福祉業界の人は反対に認めてくれますよね。そういう時にやっぱり当事者の中でも、この人は電話相談に向いている人とか、この人はヘルパーに向いている人、ピアヘルパーでやれそうな人かなと見てくれるのが施設の人なので、やっぱりそういうところともつながりは持っていたほうがいいと思いますし。」
「診断書を見て私は分かったのですが。1回目の心療内科で『精神分裂病の疑い』と診断書に書いてあったのと、(精神科の)先生が出してくださる診断書にも『統合失調症』と書いてあるし、姉が私のことを『あなたは統合失調症なのよ』と言って告げたというか。そういうパターンで、自分で何回か言われて、認めざるを得なくなっていって。『ま、そういう生き方もあるねんな』みたいになってきて…。
当事者の方の話を聞くのと聞かないのとでやっぱり違うというか。すごく当事者の方の幻聴、幻覚の話を聞いていたら『なにこれおかしいやん』と思うのですけど、自分の中にもそれと同じことが起きているということが分かって、それで認識していくというか。だんだん、今の自分に起こっていることは、この人にこの変なことが起こっていくことと同じなんだというふうに認識していくようなことですか、ね。
やっぱり、幻聴というのはまともではないということを、まず認識しないといけないので。そのまともでない幻聴とつき合わないといけなくなったら、自分は疲れるし、鵜呑みにしてもいけないし、幻聴の言うことをそのまま聞いていたらえらいことになるということを、すごく自覚し出すと、やはりだいぶ違ってくると思います。」