「いや、もう、地獄に落とされたような気分です。
まず、だいたい自分の病名をその時に知らされていないし、『悪口って誰でも言うじゃない?』というか、そういう自分に対する言い訳があるので、『なぜそれぐらいで入院しないといけないの?』とは思いました。
(入院期間は)3か月です。」
「薬物治療だけで、あとは何もなかった。入院患者の友達から、SST(Social Skill Training:社会生活技能訓練)をやっているのを教えてもらって、私は自分のほうから『受けたい』と言って受けたのです。
(入院したことで)症状というよりは、家族と離れることによって、家族のあり難みであったり、友達の良さというか、そういうものが分かって。で、家族には暴言を吐いていたのですけど、同じ入院している仲間の人にはそんなことをもちろん言わないし、普通に外面を持っているので、楽しく一緒にゲームをしたりしましたし、電話番号を交換したり、住所の交換もしたし、ある意味楽しかった部分もありました。」
SST(Social Skill Training:社会生活技能訓練):日常生活を送る上で必要なスキル、中でも、挨拶や交渉などさまざまな対人技能に関してのスキル獲得を目的とした援助のことである。
「そのあと、また家に帰ると、ちょっと悪くなって、またぶり返したというか、お薬もあまり合っていなかったかもしれないのですけど…。
私は、『もうそんなところに2度と行かないからね』みたいに言っていて、ちょっと偉そうにしていたら、そんなことない、まだ良くなっていないと、2回目の入院をさせられて…。で、その2回目の入院をした時に看護師さんが、『あんた、また帰って来たんかあ』と言いはったのですけど。やっぱりそんなところなのかなというか、帰って来たらいけないところなのかなと思って…。2回入院してからは、もうちょっと家族に対しても考えないといけないのかなと反省する機会になりましたね。」
「自宅で生活すると共に、通院を始めたので、どちらかと言えば、お医者さん探しに結構熱心になっていました。最初に入院したところでお薬をいただいたのですが、先生が変われられたこともあって、お薬が合わなくなったのです。文字が書けなくなったということですね。で、違う病院を探そうか、行ってみようかということで、家族にも協力してもらって、病院探しをしていました。
何年ぐらいかかったのか分からないのですけど、そういう(病院の)情報というのは、結構、やっぱり当事者の人がほんとうに持っている情報なのですが、私は当事者仲間につながっていなくて、家族だけのつながりだったので、姉が(当事者会)に行っていたから、(当事者会)の紹介の病院とかお勧めの病院に行ったりしました。
姉は統合失調症なので、姉が行っていた病院の先生を訪ねて行ったりして、最終的には自分の判断で、姉がかかっていた主治医の先生の診察中の会話を聞かせてもらって、この先生だったらいいかなと思って、その先生を訪ねて行って、それで診ていただけるということになったのです。
(今は)その先生は転勤で変わられたので、今、通える範囲の病院がいいからということで、私はこちらの病院のほうに残っていて、先生は和歌山のほうに変わられたのです。」
「合計3回です。そうですね、(3回目は2回目の入院から)4〜5年経ってだと思いますね。
それは、たまたま聞こえた幻聴がとてもリアルな幻聴だったので、ほんとうに突発的に衝動的にやってしまったことが、ご近所の方に迷惑をかけるようなことだったので、それではちょっと家には置いとけないよという感じで、また家族が入院させると言って入院になったのです。(それは)30(歳)後半ぐらいですかね。」