「当事者、病気になってすぐの方でもずいぶん時間が経った方でも、どちらでもそうなのだけど、やはりリカバリーというか回復を信じてほしいなと思いますね。それは、僕はWRAPをやっているからWRAPの言葉みたいになりますけれど、やはりそれは自分で勝ち取っていくものかな。薬も治してくれないし、ドクターも治してくれないし、自分自身で、ひとつひとつ責任を取り戻していくというか、そのことをしていけば……。
僕も、22年前、病気になって、家でずっとテレビを見ていて、20年後に働けるようになるとは思わなかった。だからひとつひとつその時の責任をもっていくというか勝ち取っていくというか、それをやり続ければ、元気になれるかなぁと思っています。
家族の方に関しては、自分の子どもが病気になった、兄弟姉妹が病気になったということは、もう大変なことだと思います。うちの家族も大変だった。うちの両親も、最初は病気のことをずっと隠していましたし。ほんとにやはり差別偏見というのは、いまだに統合失調症、精神病に関してはあると思うので、とても辛いというか大変だとは思いますけど。
もちろん息子さんの回復を祈るというのもそうなのだけど、家族自身が回復すること。家族のお父さんお母さんご兄弟姉妹の方が、もちろんいろいろ振り回されたり、世話をしないといけないとか、そういうことはあると思いますけど、ご自身の生活だったり仕事だったり、それを取り戻していくということをしてほしいなぁと思います。それができれば、必ず、本人に反映されるのかなというふうに思いますけど。」
「医療従事者も、いろんな方に会うのですけど。僕自身がそんなに期待していないわけではないけど、僕の主治医も、ま、情があって、だからずっとつき合っているというところもあるのですけど、大変なお仕事かなと思いますけど、できれば薬の調整役だけではなくて本当のその人の悩みだったり希望の核心に迫るような、それは福祉関係者もそうなのですけど、そういう支援をしてほしいなぁと思います。」
「断らないことにしているので、大丈夫、別に問題ないかなと思いました。それ(顔出し)はもう、別にみんな知っているし、大丈夫です。
精神科医療……にも期待しているけど、期待ばっかりではね。僕は福祉をやっているので、それではいけないと思うので、やはり福祉も負けないようにしないといかんなと思いますね。」