統合失調症と向き合う

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寺島昭さん
寺島昭さん
(てらしま あきら)
1976年(昭和51年)生まれの41歳(収録時)。24歳頃に睡眠障害が出て精神科を受診。「うつ状態」からその後、27歳の時に統合失調症と診断された。入院の経験は無い。武道など身体のトレーニングで症状が良い状況に。現在は、就労継続支援事業所A型とリサイクルショップの2つで週5日、午前10時〜午後5時ぐらいまで働いている。長野県諏訪でジークンドークラブを設立して活躍中。
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11インタビュー協力の理由
Q.インタビューに協力くださった理由を教えてください

「こういう当事者もいるんだよということもやはり伝えたいということもありますし、なんでも障害だからできないということに負けるなということもみんなに発信していきたいなと思いますね。

昔はそうでもなかったです。昔はもう本当に、ただ自分の病気で、『ああ、どうせ俺はダメなんだ』というようになっていて、本当、真っ暗な性格だったので。(病気に)なってからですね。

やはり、自分自身、これから先どうしていいかが分からないという状態に落ちていたので。もうその中で、どうしようもないなあと落ち込んでいって、落ちる一方で。更に、自分自身で、ここは、宗教の話は別に関係なく、そういう意味ではないのですけど、当時悪魔崇拝みたいなこともやっていたりしていて……。それだけ真っ暗だったのですよね。すがるものはまあそういうところ……、まがい物のみみたいな感じになっていたのです。

だけど、それから主軸が変わったりいろいろ経験していることで、いろいろと武術を学んだり武士道を学んでいるうちに、そういうまがい物は自分を苦しめるだけだし、あとから返ってくるものだから、それは良くないよということを学んで、今に至るのですけどね。

もう、毎日毎日、真っ暗なイメージのものが浮かんできた頃ですかね。それで、常に人を憎んで、人を恨んでということがあって。自分も、父親も。実は、実の父親ではなくて、(私は)養子だったので、生まれた時の自分の宿命ということではないけど、そういう意味の悔しさとかがあったりしていて。生まれたことに関しての悔しさとか、そういうことを学んで、全然暗いことが出てきていたので、その時がいちばん辛かったですね。

それはだいたい発症していた頃からですかね。24(歳)の頃から。大失恋した時と重なるのですよね、会社が忙しくて大失恋した。その頃から、もう見放されたと思って、いろんなものに行ってしまってそこ(底)まで落ちてしまったと。

『ブルース・リー・ノーツ』に書かれていることと武士道とが同じで、『死ぬことと見つけたり』ということが。死を学びなさいという言葉が出てきたのですよね。もちろん我々その精神疾患は『生きよ生きよ』というのがテーマだと思うのですけど、逆説なんですよね。人の命は、悲境とよく言うじゃないですか。やはりいつか燃え尽きてしまうもの。じゃあ、その中でどう生きるか、誰のために生きるかということを考えた時に、やはり、『だったら』という想いでいろいろと変わってきたことはありますけどね。」

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