「14歳ぐらいの時に、自分の中で何か違和感みたいなものが始まりまして。その違和感が何かは特定できなかったのですけども、だんだんそれが日常生活に支障をきたすようになってきまして……。
例えば、自分の思考ですとかそういった感情が、外に伝播(でんぱ)して漏れているのではないかとか、そういった疑いとか恐れを抱くようになって。それが強くなっていくうちに、今のまま暮らすのはちょっと難しいなということで、病院にかかりました。
(幻聴は)14歳ぐらいの時とかはあったと思います。特に強かったと思うのですけど、まあ、入院とか退院の度にやはり薬物治療で治していったので、今は(幻聴は)まったくないですね。
僕は結構、紛らわしいというかなんて言うか……、その場にいない人が話していたり、自分のことを話しているのではないかという感じだったり、あとは、当時、物理的に不可能なのですけど、祖父の声が聞こえたり、いろいろありましたね。
14歳より前、12~13歳ぐらいから前兆自体はあったと思います。どうしても、なんだろう、聴覚的なことでもそうですし、いろんな集団に交わる時に、自分の違和感ですとかもそうですし、そういったものは抱えていましたね。
当時、夜間でちょっと緊急性があったので、その時間帯に開いている病院にかかりました。最初は精神科ではなくて普通(内科)に受診しまして、そこから紹介いただきまして、精神科のほうにかかりました。発症当時は通院しながらです。薬物投与だけですね。
当時は、説明は受けませんでした。というのも、自分が未成年だったということもありまして、開示はされませんでした。で、自分が、実際、今の症状、統合失調症であるということをお伝えいただいたのは二十歳を過ぎてからでした。
主治医のほうから知らされました。しかも聞かされたのが間接的でして、母親から実際に聞かされたのですね。ただ、『主治医の方はそういうふうに言っている』という形で聞いたのですけど、おそらくその当時、自分はいろいろと混乱していたので、余計なショックを与えないためだという配慮かと思っていますね。
自分は入院していたので、入院の時に(母親から)聞かされましたね。」
「そうですね、まず、開示されるまでは、自分はたぶん心身症か自律神経失調症か、その類かなと思っていたのですけど、知ったことによって、少なからずショックはありました。(これまで)多少は、やはり悩んだりもしましたね。やはり調べていくうちに、完治は難しい病気ですとかいろいろ出るじゃないですか。それを見た瞬間に、『あ、一生このままなのか』とかやはりショックはありましたね。
でもまあ、治療法というか、抑える方法、手段はあるので、それと向き合いながら自分の中でうまく折り合いをつけていこうかなという感じで、今、まとまっていますね。自分の周りにも(病気を)抱えながらもきちんと生きている人だっているので、そういった方を目標として生きていくのもいいのではないかなというふうには思っていますね。」