統合失調症と向き合う

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aksanさん
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1988年生まれの29歳(収録時)。14歳の時に違和感を覚え、日常生活ができなくなり、受診。現在は就労継続支援A型事業所に週5日通所している。自分の中にある「向上心」が辛い日々の支えになっているという。
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6就労について
Q.就労の経験は?

「高校を出てすぐに通信制の大学に通うかたわら、製造業のほうのお仕事をしたことがありまして、1年ぐらい続けたのかな。お米のライン作業ですね。機械があって、お米を袋詰めして、積み荷に積んでいく作業ですね。

あと今思い出したのですけど、高校時代からすでに働いていました。アルバイトをしていたのですよ。飲食店とかコンビニとかで働いていました。それ(アルバイト)は続けていた時もありましたね。やはり身の回りのことは自分で稼いでいきたいという思いがあったので。あと、途中で投げ出したくないということもあって、続けてやりました。

(就職は)結局2年は持たなかったのですよね。体調が崩れますね。入院した時は、別の原因だったのですけど、やはり働いていくうちに、自分のストレスが溜まっていくうちに、ストレスのコントロールができなくなって、いろんなところに波及してしまって、体調が崩れていくのですよね。

で、それを今、学ぶためにある意味、A型事業所で少しずつストレスをかけながらも学んでいっているという意味合いになりますね。それもやはり、長く続けていくためという目標は持っていますね。」

Q.A型事業所での仕事の内容を教えてください

「事業所自体は株式会社が母体となっているので、営利目的の発送業務ですとか、会社で取り扱っている商品の発送ですとかそういったものは流れ作業になるのですけど、その中でもやはりサービス管理責任者みたいな方がいらっしゃいまして、話を聞きながら相談していって、建設的に進めていくことができるので助かっていますね。

一緒に行って仕事を教えてもらったり、本当に相談に乗ってもらったり、そういったことはできると思います。」

Q.現在通っている事業所へたどり着いた経緯を教えてください

「まず自分の場合は、自宅圏内で通える所ということで調べたのですよ、A型の事業所を、自分で。そこから、当時、支援者がいなかったので、自分で電話をかけて、見学に行って体験して、実際に面接を受けて受かって通うようになったのですね。まあ、WEBの検索でヒットしたからという答えになっていないと思うのですけど、そういうことですね。

A型(事業所)に関して言えば、自分が就労移行支援と、その次にもまた別のA型に通っていた時期もあったので、そこでたぶん知っていたと思うのですよ。ただ、その時にA型を知った経緯というのが、就労移行支援に通っていた方から、『A型事業所っていうのもあるよ』というふうに教えてもらったのです。実際に紹介してもらったこともあって、A型というものは知っていたので、じゃあ、またトレーニングをするのだったら、普通の職場というか、そういった事業所が最適かなと思って、検索しましたね。

就労移行支援事業所の長というか、いちばんの責任者の方がいて、自分の担当というか、自分を就労移行支援事業所の職員に対して担当となる利用者さんがいて。自分はその所長さんが担当だったので、そこからまず教えてもらいました、面談する時に。

20歳から26歳ぐらいまでの記憶が本当に曖昧なので、こんがらがっているのですよ、自分の中で。22歳ぐらいから就労移行支援事業所に通っていて、そこからA型(事業所)に移ったのですよ。たしかケースワーカーさんに教えていただいたのだと思います、病院で。定かではないですけど。

そこで、就労移行支援事業所からは、SE(システムエンジニア)会社に就職したのですね。そこに1年経ってからまた体調が崩れたので、就労移行支援事業……、あ、A型ですね、に通ったという……、ちょっと今記憶が戻ってきたので、はい。

システムエンジニアですね。プログラミングを、その時に学んでいたので、やっていました。独学で。当時は歳も若かったということもあって、未経験だったのですけど雇ってもらえました。で、実際、働きながら、学びながらやっていました。

(SEは)やはりストレスの負荷がかかり過ぎるかなと思っているので、得策ではない(の)かなと思っています。たぶん健常者の方でも大変だと思うので、やはりこういった障害を抱えていると余計に大変かもしれません。」

就労移行支援事業所:一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練を行う。

Q.精神障害をお持ちの方が就労できるために必要なことは?

「まず必要なのは、やはり自分の症状の把握ですとか自己認識がいちばん強いと思います。そうした上で、やはり社会的リソースというか資源を使うということもたぶん、ある意味では必要になってくると思うのですよ。たぶん自分一人で継続して働いていくということは、中には困難な方もいらっしゃると思うので。

そうした上で、先ほども申し上げたようなストレスマネジメントですとか、自分がどういう時に体調を崩して、どういう時に働けなくなるのかをきちんと理解した上で、社会的リソースを使いながら、自分が長く働けるように工夫していくことが大切だと思います。

社会的な理解が得られるに越したことはないと思うのですけど、それを求めてしまってもやはり外からのあれになってしまうので、やはり、自分自身が落ち着いているのがいちばんだと思う。そうなって落ち着いていけば自然と社会的な理解も得られるのではないかなという考え方ですね。」

Q.今後の希望や展望などは?

「現状での目標としては、今の自分の本当の課題というものがストレスのかかった時に通常通りのパフォーマンスを出すということなので、まずストレスに対してある程度コントロールしたりマネジメントができるようになることが、いちばんの目標です。それができたら、いろいろ、同じ立場の指導員的な立ち位置も面白そうだなぁとは思っているのですけども。ま、何よりも長く勤めて働けることがいちばんかなというふうには思っています。

自分もやはり病気をもっていろんな体験をしているので、同じような立場の人に、普通の一般の方、健常な方が指導されるよりももっと効果的なことを伝えられるのかなという自負はあるので、はい。」

Q.次のステップをどのように考えていらっしゃいますか

「自分自身が思うには、もうちょっと、ま、1年半ないしは2年ぐらい様子を見てもいいかなということは考えています。

ま、自信がないと言えばそうなってしまうかもれないのですけど、もうちょっと自分の中で、適切な感情のコントロールですとか人間関係がうまくいくような接し方ですとかそういったものを身につけてからでも遅くはないのではないかなと思っています。

やはり同じような病気を抱えている方々と一緒に働くということが、ストレスになる時もあって……。そのストレスを抱えたまま仕事をしていると、時として自分の不本意なことを言ってしまったり、相手を傷つけるような言動をとってしまったりすることがあるので、それを自分の中でなくしたいなと思っているのがいちばんの要因ですね。ちょっと自分の中では難しい課題だと思っているので、少し様子を見るということですかね。」

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