高田 「もし提示された治療に迷いがある場合や、違う先生の意見を聞いて自分がこれからどういう治療をするかを決めるための参考にする場合は、セカンドオピニオンという制度があります。これはご自分の担当医以外の先生のご意見を聞くということになりますので、客観的な意見が聞けるわけです。ですからそれを聞いたうえで、実際に人工肛門をつけるのがよいのか、あるいはそうではない選択肢も自分にあるのかというところの信憑性を、比較検討することができると思います。」
高田 「患者さんのほうで『この先生に聞きたい』というご希望があれば当然、その先生に(患者さんを)ご紹介をするということになります。特に心当たりがない場合、がん診療連携拠点病院として認定を受けている病院は必ずセカンドオピニオンの制度がありますので、近隣のそういう病院をご紹介するということを当院ではしています。」
高田 「担当の先生が直接(どなたか先生を)ご紹介するというのはなかなか難しい場合もあります。お医者さん同士のつながりもありますので、そういう場合は相談支援センターなどに聞いていただくと、実際に近くのどういう病院でセカンドオピニオンを受けられるかをご紹介していますので、ぜひご利用いただくとよいと思います。」
高田 「セカンドオピニオンをとるということは、患者さん自身の権利として今だいぶ認められてきていると思います。セカンドオピニオンは主治医を変わるということの意思表示ではありませんので、まずは自分の理解を深めて、自己決定するためのひとつの手段ですから、そういう意味では先生も十分ご理解いただけると思います。まずは迷っている自分の今の気持ちや、あるいはそういうセカンドオピニオンを受けたいということを率直に担当医に言える関係を作っていくということが、これからの治療を考えるとまず大事になると思います。」
高田 「セカンドオピニオンは1回限りの相談ですから、それは一度で終了します。さらにその次の希望で『病院を変わりたい』という場合は、また改めての紹介が必要になりますので、それはご希望を言っていただいて紹介状を書いてもらうというステップが必要になってきます。」