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高田 由香 さん
(たかだ・ゆか)
静岡県立 静岡がんセンター
疾病管理センター よろず相談 社会福祉士
日本女子大学にて社会福祉学科を専攻。肢体不自由児療護施設、リハビリテーション病院、一般病院の勤務を経て、2003年より現職。「がんでつらい思いをする人をなくしたい」と、予防や検診を広める啓発活動にも力を入れている。リレー・フォー・ライフというがん患者支援活動にボランティアとして参加。
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相談例3 ひとり暮らしの在宅療養支援について
Q.ひとり暮らしで、術後化学療法中の父(70歳)をサポートする手立てはないでしょうか?

高田 「よろしくお願いします。」

相談者(患者の娘) 「お願いします。」

高田 「今日はお父様のご相談とのことですが、お父様は今どのようなお体の状態ですか?」

相談者 「この間、外来で点滴を打って2日間かかり、最後は自宅で自分で針を抜いたそうなのです。そういうことを誰かしてくれる方はいないでしょうか。」

高田 「ご自宅に帰られてからいろいろなサポートをしてくれる地域のサービスがあり、必要であれば介護保険で訪問看護などのサービスを使っていただけます。

介護保険による補助を利用して受けられるサービス
→ 訪問看護、訪問介護(ホームヘルパー)

これは医師の指示のもとで、ご自宅に看護師が定期的に訪問をして、療養のお世話などをするというものです。たとえば、病院で点滴の針を刺したときに、終わりの時間がだいたい分かりますので、終わる時間に看護師さんにご自宅に行っていただくという連携が取れます。お父さんが少し慣れるまで、針を抜いたり、消毒をしたり、あるいは副作用で何か症状が出るものはないかと、看護師さんが行ったときに、お身体の様子も確認することができます。

それらをコーディネートしてくれるのが、ケアマネージャー(介護支援専門員)という専門のコーディネーターです。ですから、まず手続きをして地域の担当のケアマネージャーをおひとり決めていただいて、その方に『こういうお手伝いをしてほしい』ということをお話なさると、いろいろな手続きや書類作成を代行してくれたりもします。

あとお父様はおひとり暮らしですから、何か具合が悪くなったときにお電話できればよいのですが、トイレで具合が悪くなってしまうことももしかしたらあるかもしれないので、そういうときのために緊急通報装置というものを申請すれば、市のほうで導入してくれます(介護保険外)。よくあるのは、ペンダント式になっていて、ボタンを押すと警報が登録している方のところに連絡が行くというものです。」

相談者 「高くないですか?」

高田 「利用料は数千円程度です。安心のために入っておかれるのもよいと思います。またお父様が来られたときに、そういったご不安がないかどうか、お父様からも一緒にお話を聞ければと思いますので、娘さんからもよろしくおっしゃってください。」

相談者 「ありがとうございました。」

高田 「はい、お願いします。」