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濱 敏弘 さん
(はま・としひろ)
癌研有明病院 薬剤部長
1980年明治薬科大学卒業。国立横浜病院、国立療養所中野病院、国立国際医療センターを経て、2006年より癌研有明病院に勤務。がん専門薬剤師認定試験委員長を務める。
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4抗がん剤の副作用
  ①過敏反応・アレルギー

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「投与中あるいは投与終了後すぐに起こる副作用に、過敏反応、アレルギーがあります。抗がん剤に限らず多くの薬、特に点滴では過敏反応を起こすことがあります。症状は、かゆい・発疹が出る・悪寒がする・冷や汗が出る・吐き気・呼吸が苦しい・脈が速くなる・血圧が下がる、などさまざまな症状が出ます。点滴開始直後から30分くらいによく起こります。過敏反応を予測することはとても難しく、予防として抗ヒスタミン剤やステロイドを投与することがありますが、確実な予防にはなりません。

分子標的治療薬でも起こります。24時間以内に起こるこのような症状をインフュージョンリアクションといいます。2回目以降では発現は少なくなります。

初めて抗がん剤投与する患者さんの場合、緊張や遠慮から過敏症とは気づかずに我慢をして、発見が遅くなることがあります。抗がん剤の点滴を受けていて何か普段と違うと感じたら、我慢せずに早めに近くにいる医療スタッフに声をかけてください。一度起こると、次は点滴スピードを遅くしたり中止することがあります。また投与時の局所反応として血管痛が起こることがあります。」