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濱 敏弘 さん
(はま・としひろ)
癌研有明病院 薬剤部長
1980年明治薬科大学卒業。国立横浜病院、国立療養所中野病院、国立国際医療センターを経て、2006年より癌研有明病院に勤務。がん専門薬剤師認定試験委員長を務める。
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4抗がん剤の副作用
  ⑥しびれ(末梢神経障害)

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「オキサリプラチンの投与で末梢神経障害が起こります。オキサリプラチンの特徴的な有害事象であり、主に手、足、口の周辺部にしびれがみられます。オキサリプラチンによる末梢神経障害は冷寒刺激が原因となります。冷たい飲み物を飲むと唇がぴりぴりしびれたり、冷たい金属の棒などにふれると手がしびれたりします。裸足でフローリングの床を歩くと足底がしびれることがあります。電車に乗るときなど冷たい空気が直接あたらないように、襟のあるシャツを着て、クーラーの吹き出し口の下に立つのは避けてください。

最初は軽度ですぐに治りますが、治療が続きオキサリプラチンの累積投与量が多くなると、徐々にその期間が長く、症状がひどくなっていきます。字が書きにくくなる、ボタンがかけられない、あるいは歩きにくいという症状が起きてきます。治療を一時中断して回復を待たなくてはならない場合があります。症状を、医師や薬剤師によく伝えてください。

確かな予防法と対処法はなく、ビタミンB6やビタミンE、漢方薬やその他いろいろな薬が試されています。適度なマッサージも有効であるとされています。」