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濱 敏弘 さん
(はま・としひろ)
癌研有明病院 薬剤部長
1980年明治薬科大学卒業。国立横浜病院、国立療養所中野病院、国立国際医療センターを経て、2006年より癌研有明病院に勤務。がん専門薬剤師認定試験委員長を務める。
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4抗がん剤の副作用
  ②悪心・嘔吐

「次に消化器症状についてです。抗がん剤が消化器粘膜にダメージを与えるなどの理由から、悪心・嘔吐・下痢・口内炎などの消化器症状が出ます。ひどくなると治療が継続できなくなる原因ともなります。

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悪心・嘔吐はもっともつらい副作用のひとつです。吐き気には、抗がん剤投与24時間以内に起こる急性嘔吐と、投与2日目以降に起こり2〜3日続く遅発性嘔吐、それと以前、抗がん剤を投与したときに嘔吐したという心理的な要因によって投与する前に起こる予測性嘔吐の3つがあります。

対策としては、いくつかの制吐剤を予防的に服用し、投与後は症状に合わせて服用します。 特に5-HT3受容体拮抗剤というお薬ができてからはコントロールがしやすくなりました。最近アプレピタントという新しいタイプの制吐剤が承認され、遅発性嘔吐に対する有効性が報告されています。吐き気がひどくお薬も飲めないときには、座薬の制吐剤がありますので、まずこれを使って少し落ち着いたところで服用することをお勧めします。

吐き気が原因で食欲がなくなることもあります。無理をせず食べられるときに食べられるだけ食べましょう。吐き気がひどく食事が取れないような状態が続くようであれば、医師あるいは薬剤師に連絡をしてください。」