「便潜血検査は、自分の健康管理上やはり1年に1回は検査を受けることをお勧めします。
一般的には『2日法』という方法で、便を連続した2日間で1日1回ずつ合計2回とることが多いです。そのうち1回でも陽性の場合には、二次検診として大腸内視鏡検査、あるいは注腸造影検査という精密検査を受けることをお勧めします。
陰性の場合は、大きな病変の疑いは非常に低いため、精密検査を行う必要はないと思いますが、がん好発年齢(大腸がんは40歳以上)の方は、翌年また便潜血検査を受けていただくことをお勧めします。
最近、一般的に行われている便潜血検査の『免疫法』は、血液の検出感度が非常によい方法で、たとえばお風呂の水に一滴の微量な血液が入っても陽性として出る、非常に精密度の高い検査法です。
ですから便の表面を何ヵ所かこすって検査に出すことが大事です。2回とも陽性と出なかった場合には、がんや病気がある頻度は非常に低いです。ただ、1回でも陽性と出た場合には病気があるかもしれないので、やはり次の精密検査を受けるべきです。」
「そういう方は非常に多いです。では検診を受けなくていいのかということですが、便潜血検査が陽性だったことで次の検査を受けるきっかけになる可能性があります。
われわれの手術の結果では、無症状の段階で病院に来られた方のうち、手術を受けた方の約6割は進行がんなので、症状がないから安心だとは決して言えません。
検査をしておけば安心できると思いますし、肛門指診と言って、肛門から先生に指で診察していただくと、がんは硬く指に触れます。それだけでも病気をある程度診断できますので、まずは便潜血検査を受けて、何らかの症状や不安があれば病院の先生の診察を受けて肛門指診をしていただく、ということは非常に大事だと思います。」