がんと向き合う

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渡 喜美代 さん
(わたり・きみよ)
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1963年生まれ。両親と兄姉5人の8人家族、自然に囲まれた環境で育つ。上京後24歳で結婚、1男2女に恵まれる。38歳のとき直腸がん(ステージ2)と子宮頸がん(ステージ1a1)が見つかり手術、人工肛門と人工膀胱を造設。放射線性直腸炎、仮性大動脈瘤破裂、腎盂腎炎などを経験するが、がん体験者の本を読んでインドの死生観に触れたことで、病気が怖くなくなる。
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8心がけていること

「なるべくストレスをためないようにとは思っているんですけど、これは性格もあってなかなか気持ちの切り替えが上手じゃなかったりして、結構ぐずぐず考えちゃうんです。よくないなとは思うんですけども。食生活はそうですね、おいしく食べられることは幸せだなと思いながら食べています。

玄米を食べ始めたのは去年ぐらいからです。消化がよくなったというのはあるかもしれないですけど、自分ではあんまりよくわからないですね。いちばん下の子が玄米好きで、息子も釣られて仕様がなく食べている感じです。圧力鍋で五穀米とか入れて、ちょっと水を多めに入れてやわらかめに炊くんですね。」

●自然に囲まれていた子供時代

「緑とか、海や空の青さとかパワースポットと言いますけど、そういうことを意識することなく浴びていたんだとは思います。それ(を浴びなくなったこと)は病気に関係するかというとまた違いますけれども。

田舎だと食べるものが限られていて、珍しいものもなかったし。たとえばグラタンとか私がいる頃はまだなかった。喫茶店に行けばあったかもしれないんですけど、田舎でそういうものを食べたことがなかったんです。だからこっちに来ていろんなものを食べるようになったというのはありますよね。

魚を食べる回数は減りましたね。向こうでは釣ったばかりの魚を揚げたり、素揚げしたり、煮たり焼いたり、お刺身にしたりそんな感じですね。そうした魚を食べる機会は減りました。海草も食べなくなりました。海草は自分たちでとってきて、結構食べていたんですよね。自給自足じゃないけど、そこは全然違いますよね。自然のものをやっぱり食べていたなというのはありますね。

性格がずぼらなもので、栄養に関してすごく気をつけていたということはないです。たとえば玄米を食べるようになったとか、そういうことはありますけれども、あんまり食事はこだわらない。基本的には『おいしい!』と思って食べるのがいちばんかなと思っているので、(病気になって)そんなに極端に食事が変わったということもないですね。」

●子供たちに話すこと

「病気になってから、子供たちとお墓の話やお葬式の話はよくしますね。『お墓もいらない、お葬式もいらない』とは言っているんですけど。その話を子供たちがどういうふうに受け止めているかは聞いたことはないです。こっちの勝手な思いでしゃべっているだけかもしれないですけどね。集まっていろいろわいわい話しているときに、『骨は粉にして撒いてね』とかそういう話はしますね。『仏前にこの花飾ってね』とか。極楽鳥花という花がすごく好きなので、それをお願いとは言っているんですけど。長女は『わかったー』って言っていますよ。

でも必ず死ぬとわかっていても、いざそういうことになったら受け入れられるかというと、それはまた別ですよね、お互いに本人も家族も。」