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林 敏孝さん
林 敏孝さん
(はやし・としたか)
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1948年熊本生まれ。2002年血尿があり病院を受診、右腎臓と尿管の間に腫瘍がみつかり、手術で摘出。2005年3月福岡西方沖地震以後、仕事で過労が続き、翌月突然起き上がれなくなり病院へ搬送。膀胱内腫瘍を切除、ストーマ(人工膀胱)を造設。その後、腸ヘルニアで入退院を繰り返すも、現在は病院のボランティアとして患者の相談相手、看護師のストーマケア指導に奔走する。
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4腎臓に負担をかけない食事

「生活には別に支障はないのですが、ただ腎臓が1個しかないので、食事制限をしています。クレアチニンが高い、あるいはカリウムが高い時期もあるし、蛋白が高いときもあります。数値は波を打っているので、腎臓制限食というのを病院で習って、それを自分で考えながら食べていく、それぐらいです。

たとえば、カリウムは腎臓に悪い。カリウムは何に含まれているかというと、果物・野菜類です。だからカリウムが高いときは果物を食べない。野菜は食べないかというと、野菜は茹でこぼしと言って、1回茹でるとカリウムが出てしまうので、茹でたあとの野菜を食べます。食物繊維などは残っているので。蛋白はたとえば植物性蛋白、動物性蛋白がありますよね。蛋白が高いというときは動物性蛋白を摂っているときがあるのです。だから肉はほとんど食べないです。食べるなら魚を食べます。その代わり、植物性蛋白である大豆系の蛋白を摂るようにしています。蛋白が少ないからサプリメントかというと、サプリメントはだめですね。やっぱり物で食べないと自分の身につかないです。

鉄分がかなり下がったことがあり、鉄分のサプリメントを飲んでみたのですが、なかなか数値が上がらないのです。それでいろんな栄養の本を購入して、鉄分のところを調べていたら、やっぱり鉄分はほうれん草とかの青物、あとは肝です。だけど肝は動物性蛋白があるからだめだと。じゃあ何かというと、やっぱりほうれん草とか青物に入っているので、それを食べたら数値が上がってきました。

いろんな調味料も使いません。化学調味料が入っているでしょ。私の家に砂糖がありますけど、瓶に少ししか入っていません。それは友達が来てコーヒーを飲むときの砂糖で、自分では砂糖を一切使いません。糖分はいろんな食べ物に入っているでしょ。だから砂糖は摂らない。塩も食物に塩分が入っているので、塩の補給をしない。塩気の代わりにコショウとか、柑橘類のポン酢とかで味を補っています。食品を買うときに必ず、成分表を全部チェックして買います。」

●飲酒と喫煙

「すごく飲ん兵衛で、喫煙もどんどんしていました。まず1回目の手術で右側の腎臓を取ったときには、『飲酒は絶対にだめ』と言われて止めました。喫煙は、病院に7ヵ月間入院していて喫煙できなかったのです。それと『もうタバコを吸わないほうがいいやない?』ということで、それで終わりです。『病院内で吸っちゃいかん』ということになっていたから、当然吸うところもないし、また隠れて吸いに行くこともないしで、そのままずっと来たから、別に副作用は全然なかったです。

お酒は若いときに飲みすぎて、ちょっと肝臓をいためて、それからビールが受けつけられなくなりました。じゃけん、薬の抵抗もないんじゃないですか。これで飲酒とか喫煙をしていたら、薬の効き具合も悪いと思うので、何か神様がそういうふうにしてくれたのかなという感じもします。」

●ほぼ毎日1万歩

「とにかく『腹筋背筋を使ってはだめよ。背中を反らすのもだめよ』ということなので、じゃ何ができる?というと、あとは歩くだけですよね。『飛んではだめよ、走ってはだめよ』でしょ。だから約1万歩をだいたい毎日歩いています。」

●睡眠時間

「生活習慣では、まず食事が変わりました。それから睡眠時間が変わりました。以前は下手したら1日2〜3時間ぐらいしか寝ないときもあったのです。それは仕事の関係やら何かで、あまり遊びで遅くなることはないのだけど、ほとんど仕事です。それで生活習慣がものすごく乱れていたのですよね。だから病院に来たら、『睡眠は十分にとりなさい』と。そういうことで一応安定剤と睡眠薬を出してくれています。今はだいたい7〜8時間はゆうに寝ます。体の調子はよいです。

夜寝るのは11時で、朝が7時ぐらいには目が覚めます。どうかすると早く目が覚めるときもありますけどね。」