「今の患者さんたちに、いろいろ言いたいことがあるのです。いろんな人の話を聞くと、うまくやっている人は自分でストーマを管理しているけれど、悪くなって再入院する人というのは、全部他人任せなのです。
ストーマには人工肛門と人工膀胱がありますが、尿というのは(ストーマから)24時間365日、常に出ているでしょ。便は1日2回ぐらいですが。そうすると(人工膀胱は)油断して尿漏れを起こしたりして、失敗するんですよね。それを防ぐためにはやはり自分で管理しないと、わからないのです。他人から、『パウチに尿がたまったろ?』と言われて、『ああ、そうね』と言うぐらいじゃだめなのですね。だからそういう管理のところまで、もう少し皆しっかりしてほしい。なんぼ年をとっても文句を言う人は言うのです。小言を言う人に限って、こういうの(管理の重要性)がわからないんですよね。だからもう少し勉強してほしいなと思います。」
「ストーマに関しては、(装具メーカー発行の)ガイドブックやアルケア鰍フ総会などの資料などを読むと体験談が書いてあります。そういうのを読んでくれれば意外と、『あ!』というものがあります。結局、そんなに読んでいないのですよ。家族がやってくれるものだ、病院がやってくれるものだと思っている人、結構いますよ。
やっぱり術後に何が起きるかというのはわからないんですよね。自分でちゃんと見ておけば、『なんか調子がおかしいな』と思うときには、その方向ですぐに行く。ましてや、どこの科に行ってよいかわからないときは、まず自分の主治医に行けばよいわけです。主治医が病院内でちゃんと紹介状を作ってくれて、紹介先に行くとそこで面倒をみてくれるので、ちゃんと治す。病院の利用方法もよくわかっていないなという感じがします。だから、そのためにやっぱりいろんな情報とか何かを頭の中入れてくれればいいなと思っています。」