がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ

VOICE + plus

体験者、家族、支援者、
医療者が向き合う
さまざまな問題
イベント
おしらせ
+ 就労問題と向き合う
石井京子 さん
(いしい・きょうこ)
テスコ・プレミアムサーチ株式会社 代表取締役
公益社団法人 日本オストミー協会 業務執行理事
2000年、大手通信会社の管理職を務めていた当時、知り合いの勧めで受けた検査で初期の直腸がんが見つかる。手術を受け退院後、職場に復帰。自分に残された時間を意識するようになり、退職。1年間の充電期間を経て、障害者の就職支援の仕事と出会い、専門のコンサルティング会社を設立。現在、障害者、難病患者、がん体験者の就職相談を幅広く受けている。著書に『発達障害の人の就活ノート』ほか。Twitterブログ
movieImage
4生き方の変化

「すぐに仕事に復帰していますので、仕事自体での変化はなかったのですが、どちらかというと自分の気持ちというか、考え方が変わってきました。働き方や仕事に対する考え方というよりも、生き方に対する考え方ということになると思うのですが。

私の場合、幸いごく初期で見つかったので抗がん剤も使っていませんし、がんということについてはそんなに大きなダメージはなかったと思うのです。ただそのがんを体験したことによって、自分の残りの人生、残された時間を意識するようになりました。具体的に言うと、今まではいつかやればいいんじゃないかと、5年後、10年後とかなり先に置いておいたことを、やはりもう少し早いタイミングで、たとえば3ヵ月後とか半年後とか、近くにもっていきたくなったのです。結局それが転職にもつながるのですが、残りの人生を考えたときに、『このままこの仕事を続けていていいのかな』というところで、『何かもっとやりがいを感じられる仕事がしたい』と思うようになりました。 大きな安定した会社でしたので、会社自体にはもちろん何も不満はなく、本当に恵まれた環境だったと思います。ただ私の中で『何か違うことをしたい』という気持ちが強くなりました。」

●天職に出会う

「結果として、勤めていた会社を退職することになります。辞めた時点では、何をしようかというのは決まっていなかったです。退職したあと1年間の充電期間を経て、たまたま障害をもつ方の就職支援の会社のお仕事をすることになりました。そうしたら、その仕事がまさに自分が考えていた“やりがい”ということをすごく感じられる職業だったわけなのです。

それは私のそれまでの企業での経験と、やはり病気を体験したことで、障害をもった方の気持ちを理解して、さらにサポートをして就職に結びつける、それがうまくいったときの充実感というのが、私が思っていたやりがいにまさにぴったりだったのです。それ以来、これを天職と思って続けています。

あとはたまたま自分で会社を起こすきっかけが得られましたので、さらに幅広く、障害をもった方だけではなく、いろんな難病患者さん、がん体験者の方々の就職相談を幅広くお受けしています。」