「とにかく会社を辞めようと思ったら、辞める前に転職の事情を調べたほうがよいと思います。病気で退職しても次によい仕事が見つかるだろうと考えがちですが、実際には現状はものすごく厳しくて、特に40代、50代となると年収も半減してしまうようなことがあります。退職したあとにご相談いただく場合がたいへん多いのですが、辞める前にご相談いただきたいというのが本音のところです。」
「いちばん困っているのが、がん患者さんで、まだ通院回数の多い方だと思います。これはその方の考え方次第だと思うのと、優先順位もあると思います。
通院しながら今までのようなフルタイムの勤務を続けるのはなかなか厳しいと思います。では、しばらく通院がある間、どうするのかというのをご本人が決めれば、あとは比較的見つかりやすいと思うのです。
ですから、体調に合わせて働く方法があってもよいと思います。たとえば週5日のフルタイムではなくて、派遣・パート社員として週3〜4日勤務という働き方もあります。
そうして通院日を確保するという方法もあるので、通院が必要な時期には、働き方を考えるというのもひとつの方法です。
それから、たとえばコールセンターのように、フルタイムの時間でも働けて、あるいは4時間単位の働き方ができる職種もありますので、そういう職種ですと比較的通院の時間が、確保しやすいというのがありますので、いろんな方法を考えていただきたいなと思います。」
「もちろん引き止めます。今ある制度をとにかく最後まで利用して、ダメだったときはそれまでですが、とにかくもう辞めないように。特に家のローン返済がまだ終わっていない方は、もう絶対に辞めてはダメです。」
「私は(相談は)していないです。けれども何とかなるだろうと思いました。これがたとえば扶養家族がいたりしたら、別の問題だと思います。扶養家族がいたらたぶん辞めていないと思います。ご家庭の状況にもよるのですが、十分に考えてから判断していただきたいと思います。」
「辞めても仕事はすぐに見つからないということがわかれば、何とか現状でやっていく道をたぶん皆さん選ぶのではないかと思います。状況は個別に違うと思うので、一概にはお話できないのですが、もしかすると、いろんな方に相談したらいろんなアイデアが出てくるかもしれないので、そういう意味では自分や家族だけで考えず、いろんな分野の専門家に相談してみることも必要ではないかなと思います。」
「何を相談したいかにもよると思うのです。就職のことであれば、就職の専門家がよいですし、日常生活のことであれば、それぞれの患者会もたくさんあるので、そこで得られる情報もかなり多いと思います。使える社会的な制度については社会保険労務士さんでよいと思いますし、ハローワークに行かれるのであれば、もちろんそちらでもよいと思います。
あと医療に関してはドクターと、それぞれの分野の方に確認するのがいちばんよいと思います。就労の悩みを担当のドクターに相談する方もたまにいらっしゃるようですが、それは違うと思います。実際の求人状況などはやはり専門家に聞かないとわからないので、いろんな分野の専門家に話を聞くのがよいでしょう。ですから自分だけで考えていないで、少し自分のほうから出向いてみるというのも、大事なことではないかなと思います。」