6夫婦で話し合ったこと
「実はこの時、病院にお願いをして1日だけお時間をいただいて、夫婦でいろいろと話をする機会を作ってもらったのです。ふたりでこれからのことをお話しなくてはいけないと思って、私からお願いをして、1日だけ京都に泊まりました。
私は走るように治療、手術、治療をやってきた半年だったので、その7ヵ月目になるとき、本当にもう死ぬであろうと思っている心境の中で、痛みとか苦痛があり、よいことは考えられない状況でした。考えてはいましたけど、考えられないというのが本当のところで、もし私がどうにかなったときのこととか、主人とは本当に現実的なお話をしなければいけないと思ったのですね。言葉では『大丈夫だよ』『治るよ』と家族や周りは言うけれども、でもそうではなくて、本当に現実的なお話をちゃんとしなくてはいけないと思って。もし私が病気によってその日が来てしまったならば、お家のことをどうするかとか、たとえば子供たちはどうしていくかとか、本当に家族としての生活の営みと今後のことをもっとちゃんと具体的に決めておかなければいけないと思い、そういった話し合いをして私の思いを伝えておくべきだろうと思って、1日もらいました。
さらに、たいへん迷惑をかけてしまっていることに対して、私はまだ30代で、主人も働き盛りの歳に、こういうことになってしまって、本当に申し訳ないということをちゃんと伝えてからと思い、その日は食事をとりながら主人とすべての話をしたつもりです。」