がんと向き合う

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佐藤千津子 さん
(さとう・ちづこ)
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1971年生まれ。盛岡で服飾の事業、家事、育児をこなすなか、2005年(34歳)に出張先で異様な血便を経験。地元で検査をするも何も見つからず、2007年に専用内視鏡で小腸(空腸)に腫瘍が見つかる。手術後、抗がん剤により延命中、滋賀で腹膜播種専門医の手術を受け、命をつないでもらう。人工肛門を2つ造設。ワクチン療法等を受け、現在も抗がん剤を服薬中。朝晩の瞑想を日課とする。
ブログ:千の道
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11その後の治療

「『TS-1を定期的にずっと続けてください』と言われて岩手には帰ってきたので、また抗がん剤TS-1を再開しました。」

●ワクチン療法

「5月に(滋賀を)退院をして、半年後に病院での検査で腫瘍マーカーが150いくつと3桁になったのです。そもそもその腫瘍マーカーがくせもので、人によっては1万とか2万とか行く人もいれば、何千という人もあればという感じで。

私の場合はCA19-9という数値が、1回目の手術のときが22で、正常値のマックスが37なので、全然引っかかる数値ではないのです。2回目の滋賀の手術のときは66でした。ですからその22という数値が私のがんの発見を遅らせたのですが、たぶん最初の血便のときにそこがもう少し上がっていれば、絶対にわかったはずなのですが、私の場合は、血液の腫瘍マーカーという数値に一切出なかったのですね。

術後、(岩手に戻って)何度かTS-1を続けていくと(その腫瘍マーカーが)徐々に上がっていきました。40台、50台、60台と上がって、10月に100を超えて3桁になったときに、『これはもうたいへんだと』思い、どこかにぼーんと5mm以上とか8o以上のものができたかもしれないと思いました。

それで手術がたいへんだったというのもあるので、以前から調べてわかっていた樹状細胞WT1ワクチンというワクチンを自由診療なのですが、受けることを決断しました。平成20年11月から翌年21年1月までかけてやりました。」

Q.その間、抗がん剤TS-1は休薬していたのですか?

「服薬しています。樹状細胞ワクチンをするときも抗がん剤を併用してくださいと言われました。そのほうが効き目があるということで。ただTS-1の副作用が強く出てしまい、粘膜障害が私はとても多く出ました。口内炎だけだったらよかったのですが、下痢と粘膜障害ひどくなり、人工肛門の出ている腸壁がつるつるになって破けてそこから出血をしてしまうのです。それがひどくなってしまったので、いったんTS-1を中断してワクチンだけをやりました。

岩手での抗がん剤の副作用はゼロに等しかったのに、『がんを全部とったよ』と先生が言ってくれた術後の抗がん剤は、めちゃめちゃ副作用がひどかったです。だから、最初の頃は身体がきっとがんに負けていて、お薬ががんに負けていたんだろうなと思うくらい、最初は副作用がなかったです。

(滋賀の病院を)退院して戻ってTS-1が始まったときから副作用がひどく出ました。ワクチン自体は風邪のインフルエンザワクチンの接種の仕方とほぼ一緒ですから、私は鼠径部(そけいぶ)に投与しましたが、副作用は全くなくそれはよかったのですが、抗がん剤の副作用が非常に強く出ていました。

腫瘍マーカーは4、5本目を打ったあたりから下がりだして、最終的に32まで下がりました。」

●NKT療法

「ワクチンのほかに、ナチュラルキラー細胞を増やすNKT療法というのも同時に併用して、それを3回しました。

あとは強いて言えば、アロマテラピーを受けました。アロマの先生がいらっしゃって、希望した方にアロマトリートメントをしてくれるということで、『がんの痛みなどを和らげる』ということで受けました。

抗がん剤中は粘膜障害が出たり、あとは皮膚が痛くなったりして手でお絞りや布巾を絞れなくなるのです。それくらい痛いのです。足の裏も靴を履いて歩くのが非常に痛かったりするので、そういった痛みを和らげるということで、リラクゼーションをしてもらいました。」