がんと向き合う

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佐藤千津子 さん
(さとう・ちづこ)
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1971年生まれ。盛岡で服飾の事業、家事、育児をこなすなか、2005年(34歳)に出張先で異様な血便を経験。地元で検査をするも何も見つからず、2007年に専用内視鏡で小腸(空腸)に腫瘍が見つかる。手術後、抗がん剤により延命中、滋賀で腹膜播種専門医の手術を受け、命をつないでもらう。人工肛門を2つ造設。ワクチン療法等を受け、現在も抗がん剤を服薬中。朝晩の瞑想を日課とする。
ブログ:千の道
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10入院中に考えていたこと

「割と現実的で、入院費はどのくらいなのだろうとか、まず本当に治るのであれば、ある程度動けるようになるのであれば、仕事はできるようになれたらいいなとか、そういった目標をもつといいだろうなと思っていました。

長い入院生活だったので、自分の中で振り返る時間をすごくもらったと思います。自分がやってきた仕事は楽しかったけれども、走りすぎたかなと思いました。今振り返ればもっとお家のこと、たとえば何でもいい、部屋の模様替えでもいい、子供のお洋服を作ってみよう、庭いじりをしてみよう、お花でも栽培してみよう、お家に帰ったらあれもやりたいこれもやりたいということをノートに書き留めて、そういった本当に日常的な小さなことをやりたいなぁと思いました。ただ、お金もいっぱいかかっているので、お仕事もしなければだめかなとか、いろいろなことを考えながら入院生活を送っていました。」

●もうひとりの自分

「私は子供の頃から、ちょっと変わっていると言われていて、入院中、自問自答のように『私は大丈夫』というふうにいつも思っていました。『どうしよう』とは思っているんです。思っているし、死ぬかもしれないとも当然思っているのですけど、もうひとり私がいるような感じで、『いや、きっとあなたは大丈夫』といつも後押ししている自分もあり、だからこそきっと乗り越えられたところもあるだろうなと思っています。」