4病気に関する説明
「(病気の)説明はまったくなかったですね。ただ治るから大丈夫というふうに言われたので、『あ、治るんだ。治った、良かった』という…。
そうですね、いろいろ本を読んだりとか、当時全家連という家族会の全国組織があって、そういうことの情報が新聞に載ったりするのを、もう目を皿のようにして見ていたんです。でもうちの娘に限ってこんな大変な病気じゃないだろうという、何か、否定したい気持ちというのがすごく強かったので、情報を得ながらも、『でも、娘はこんなに良くなったし、まさかこんな病気じゃないよね』と、何か打ち消していたような状況でしたね。
私は、やっぱり精神科に対しては偏見があったと思います、自分自身の中に。だからできれば早く縁を切りたいと。ああ、行かないでいいようになって良かったなということで、もう何か忘れたい過去のことのような気持ちでいました、その時は。」
全家連(ぜんかれん):1965(昭和40)年9月に精神障害者の家族によって結成された全国組織の「全国精神障害者家族会連合会」。1967(昭和42)年2月に財団法人になった。精神保健福祉に関する調査・研究、啓発活動、研修事業などに積極的に取り組んでいたが、2007年に解散した。