1入院のきっかけ
「いつ受診したかということに関しては、自分が望んで受診したものではないことが、まず最初ですね。(それ)から、その当時、病気であったかどうか、定かでありません。年齢的には大学1年生(19歳頃)のときです。私は父親に口を利かなくなりました。しゃべらなくなりました。なぜなら、父親が、後妻と結婚して、子どもができて、私に対してその後妻も、虐待を行いました。私はただ無言の抵抗をしました。その結果、病院に連れて行かれました。それが発病といえば発病だと思います。しかし、私にとって、入院してから病気ができたのかその前から病気があったのか、いまだにわかりません。
(受診は)強制的です。私は、今でいう精神保健福祉法じゃなくて精神衛生法の時代で、本人の同意なしに病院に連れていかれたり入院させられる時代ですので、本人の同意ではありません。
病院にまず行きました。病院に行って、先生に診てもらって、そのまま、じゃ入院しようと言われて、1週間保護室に入れられました。で、薬を大量に飲まされました。治療というのは、最初はそれから始まりました。」
*精神衛生法:精神障害者への適切な医療・保護の機会を提供することを目的として、戦前の精神病者監護法と精神病院法を廃止し、1950年に制定されたのが精神衛生法である。1960年に一部改正され、1987年に法改正があり精神保健法と名称が変わった。精神保健法の施行は1988年7月。1995年に「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)に改称された。
●入院中の症状
「幻聴も出だしましたし、被害妄想も出ました。だから元からあったのか、それ(入院)によってできたのかわかりませんが、そういうの(症状)が出だしました。で、ほとんど寝たきり状態でした。薬が非常に強かったからですね。」
●入退院の繰り返し
「そうですね、退院しました。(退院後)薬飲まなかったです。薬飲まなきゃ飲まないで、病状が出ますよね。あの退薬現象が出ますので、まあそれはごく当たり前にありました。そしてまた入院させられる、その繰り返しです。最低4、5回繰り返しましたね、その間ですね。」