「病気と闘うな、病気を治そうとするな、病気と付き合うんだって。それから統合失調症だから、統合失調症という病名はあるかもしれないけど、その前にまず人間であるんだよ、統合失調症という病を持っているけど、まず人間なんだよということ。それを大切に考えれば、きっとそんな病気に振り回されないよと、僕はそういうふうにアドバイスしたいですね。」
「ご家族の方、大変だと思います。大変ですが、ご家族はご家族の生きがいを見つけてください。ご家族はご家族のために生きてください。お子さんはお子さんのために生きるんです。まず、ご家族が自分の生きがいを見つけて自分が幸せにならなかったら、お子さんは幸せになれません。これはもうつくづく統計の中でも、今回も1年かけて編集した本があるんですが、それは顕著に出てきたものですから、それはほんとに伝えたいですね。ご家族は自分のことを考えて、自分が幸せになれなくて子どもは幸せになれません。」
「あの医療従事者は良い悪いって問題じゃなくてですね、僕も昔はちょっと恥ずかしい話、医療従事者の端くれだったんです。もう20何年前はですね、ワーカー(ソーシャルワーカー)だったんですが。医療の仕事っていうのは、やはり限界があります。まあ、上下関係もありますし、会社のためにしなきゃいけないこともありますから、その中でもできることをしている医療スタッフもいます。でも、医療スタッフ、医療の方ががんばればがんばるほど、僕らが、病気=自分、人間性、自分になってしまうんです。あの、見えない病気こそ社会から見て、病気=自分である、になるんです。そうすると、病気=スキルがない、病気=仕事がない、できない、病気なんだから何何ができないっていう(思い)のは強くなりますね。ですから、医療従事者の方はですね、病気のことをテーマとして治療を高めれば高めるほど私たちは、見えない病気と、ずっと取っ組み合いをしなければならないから、もう少し、その点わかってらっしゃると思いますけど、病気と共存させる道をですね、どんどん開いていただきたいと思います。」
「そうですね、一般の方は、明日にでもかかる病気です。ただ、明日にもかかる病気だと思っても、もしお子さんがかかっても、自分がかかってもやはり怖いから、目の前からどけたくなります。隠したくなります。これは当たり前だと思います。でもどんなことをしようとも、明日にでも自分がなる病気です。そういう可能性が高い病気です。それを意識していただきたいと思います。」