統合失調症と向き合う

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藤枝脩平さん
藤枝脩平さん
(ふじえだ しゅうへい)
1983年生まれ、27歳。大学生(19歳)のときに発症、受診。大学卒業後、就職するがうまくいかず退職し、実家に帰る。その後、就労継続支援B型(非雇用)事業所に勤めるが辞めて、現在は自宅で母親、祖父母とともに暮らしており、祖父母の世話などをしながら毎日を過ごしている。状況に合わせて相談支援センターを利用。
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9福祉サービスについて
●相談支援センターの活用

「(福祉サービスは)今は利用していないです。去年(2009年)の4月にこの相談支援センターというのができまして。その当時私は、家で過ごしていたんですけど、ある日、本屋で中村ユキさんの描いた、『私の母はビョーキです』(正しくは『わが家の母はビョーキです』:サンマーク出版)という本を見つけまして。それを読んでいくと、地域生活支援センターという施設があるということを知りまして、市内にあるのかなあと市役所に行って聞いてみたら、4月からこういう施設ができましたと紹介されて、そのときからここを利用し始めています。

週に2回、生活訓練ということで、SST(Social Skill Training:社会生活技能訓練)をやったり、パソコン教室だったり、調理実習もたまにやったりしてます。あとは、いろんなことについての相談ですとか、憩いの場として、自由に過ごせる場所でもあります。

通っていたのは、実は最初の2か月くらいで、その途中から(就労継続支援)B型事業所の存在を知りまして、それからは(就労継続支援)B型事業所のほうに通い始めて、こっちの相談支援センターにはあまり顔を出さなくなりました。(就労継続支援)B型事業所に通い始めたのが(2009年)7月からで、今年(2010年)の4月に事務員として抜擢されました。なので、(相談支援センターには)6か月ぐらい利用者として通っていました。

(B型事業所での雇用は)ただただ驚くばかりで、うそだろというような気持ちでした。まさかこういう形で再就職するなんて思いもしませんでしたので、驚きました。まあ、書類などを作ったりするのもそうですし、経理もありましたので、なかなかその見えないお金の流れをちゃんと記録していくというのが、とても難しくて…。

就職して働くということが、果たして自分にとってベストなんだろうかなあと、今では考えています。なんていうか働いてお金を得ることは、確かにその通りで、必要なことなのかもしれないんですけど、ただ私はそのお金の重さに、お金につきまとってくるその責任の重さに耐え切れるか、責任を果たせるかといったら、果たせないだろうなあと感じていまして。就職ということを大事に考えるのは、もうよそうと思っています。」

SST(Social Skill Training:社会生活技能訓練):日常生活を送る上で必要なスキル、中でも、挨拶や交渉などさまざまな対人技能に関してのスキル獲得を目的とした援助のこと。

●現在の収入源

障害基礎年金を受け取っています。(精神障害者保健福祉手帳は)持っております。2級です。まあ、実家で暮らしていますから、お金はさほどかからないですので、やれていると思います。これが一人暮らしとなると、それこそ学生生活のときのように、粗末な食事でなんとか切り抜けていくような生活になっていくだろうなあと思います。

(1人暮らしは)できればしたいんですけど…。母の干渉が非常に嫌ですので、そこから僕は離れたいんですけど、離れさせてくれないというんでしょうかね。」

障害基礎年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のこと。障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。
精神障害者保健福祉手帳:2年ごとの更新が必要。更新時期の患者さんの状態に合わせて手帳の等級(1級、2級、3級)が決まる。生活保護の障害者加算や税金の優遇措置など、経済的な支援を受けられるようになるほか、自治体によって異なることがあるが、交通費、通信費などの負担を軽減できる。
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