「同じ病気で悩んでいる人に対しては、よく、『やまない雨はないです』とか、『夜明けは必ず来る』とか、そういうふうに言われますけど、ちょっと1つ気をつけてほしいことがあるんです。それは、夜が明けたり雨がやんだら、ずっと夜が明けっぱなしだったりとか、朝の明るいままだったりということは、ありえないんですよね。だから、夜が来れば必ず朝がきて、また夜が来るということ、重要なのはそこです。また夜は来る、また雨は降る、それが普通なんだということを、認識を改めてほしいなと思います。
私も、病気で入院して、仕事も辞めて、(就労継続支援)B型事業所を利用して、また再就職して、また辞めてというふうに、自分にとってのマイナスなことが起こったあとにプラスのことがあって、でも、またマイナスのことがあるというふうに、交互に繰り返されていくものだから、まあ、浮き沈みがあるということが普通なんだ、それで当然なんだということを、当事者のみなさんもそうですし、そこに関わっている家族ですとか福祉の関係者も、認識を改めてほしいなと思います。」
「そうですね、あまり干渉しすぎなくてもいいと思います。これがいいんじゃないの、あれがいいんじゃないのと、強制的にやらせると、かえって自分が失敗してしまったとか、期待に応えられなかったというふうな失敗があとを引きずってしまいますので、直接働きかけて何かをやらせるということは、なしにしてほしいなと思います。
ただ、根回しは必要だと思います。例えば、今度退院するんですけど、日中活動の場としてこの相談支援センターを利用したいんですけど、よろしいですかとか。そういうふうに、相談支援センターだったり、(就労継続支援)B型事業所だったり、福祉のサービスに根回しをしておいて、いつでも行ける体勢を整えてくれれば、当事者本人にとっては、退院から地域での生活、自分の家庭内での生活というのも、スムーズに、より楽になるんじゃないかなと思います。」
「注意していることは、音を立てないようにしています。私の部屋の隣に母の部屋があって、音がちゃんと遮られているかというと、実はそうでもなくて、壁1枚隔ててタンスがあって、そこのギーってドアが開くのが聞こえてしまうくらいなので、音を立てたりすると、何か余計な勘ぐりをされるなというふうに思っていまして。母から逐一行動を監視されているなあとか、また音聞かれているなあと思うと、部屋で過ごすのもとても辛くなって、それが爆発につながってしまうこともあるので、自分がいて、母が隣の部屋にいるときは、なるべく私は音を立てないように静かにしています。」
「まず、より分かりやすく病気についての説明をしてもらえればなと思います。あと、私の通っている病院ですと、待ち時間が長くて、その間に何を言うか忘れてしまったり…。で、いきなり、自分の番になって診察が始まるんですけど、『どうでしたか』って聞かれるんですけど、『なんて答えればいいんだろう』っていうふうに、先生から『どうでしたか』と聞かれてすぐに答えられないので、自分の気持ちの変化だとかを伝えやすくなるような仕組みがあればいいなと思います。例えば、あらかじめ紙を渡しておいて、それに今週1週間・2週間どうでしたかというふうなことを書いて、あとでそれを見せて先生とお話できるような、そういう診察のあり方があってもいいんじゃないかなと思います。」