5自殺未遂について
「未遂を入れたらもう数限りなく…、包丁に手を伸ばすとか、車道のほうにふらふらっと行くとか。夫も当事者なのですけど、二人分の精神科の薬を探してタンスの中を引っ掻き回すとか、そんなことはもう日常茶飯事だし。最初の結婚のときは毎晩、高い橋があったんですけども、その高い橋のふもとまで車を運転して行って、『今日は飛び降りよう、今日は飛び降りよう』と思って、その橋のところで夜を過ごしておりました。」
●自殺を思いとどまらせたもの
「そうですね、本当に死のうとしてやばかったことの中に、九州のほうで有名な自殺の名所があるんですけど、そこまで車で何時間もかけて行ったんですね、夜中に。そこで飛び降りようとしたら、白い車がスーッと止まって、中から黒服の人が4人降りてきて、その橋の下の逆巻く海に向かって、手を合わせているんですよ。ということは、ここで死んだ人の遺族がお参りに来たんだなと思って、私も車の中からその様子を見ていたんですね。そしたら、『ああ、私にもこうやって心配してくれる家族とか誰か、友達とかがいるのかな』と思ったそのときは、とどまれたんですね。
やっぱり、毎回毎回『死にたい死にたい』と思うんだけれども、人とのつながりを思い出されたときとか、電話とかメールとかを緊急のときに出して、返ってきて、『生きていてほしい』というメッセージが自分の中で受け止められたときは、(自殺を)止めることができます。もちろん、大量服薬してICU(Intensive Care Unit:集中治療室)に入ったことも2回ありますけれども。やっちゃいますけど。(それは)最近です。良くないですねえ。」