「ほんとここ1年ぐらい、安定するようになりました。WRAPに出会って、やっぱり今までは自分の問題が何かあったときは、お医者さんに『助けて』とか、周りの人に『私どうしようもない、助けて』と、丸投げしていたんですよね。自分で自分の苦労を取り戻す“べてる風”じゃないけれども、そんなふうに自分で自分のことに責任を持つ、で、自分自身の生き方を自分で選択して生きるということをやりだしてくると、なんか、生活の生き様が変わってきた。うん。例えば自殺未遂をしようと思っていても、母親とか父親からもらったこの命を自分の命だからといって粗末にして殺してしまうのではなくて、何か誰かの人の役に立てるとか、今までの自分の精神病で苦しんだ体験とかを生かして、発病したり、今苦しんでいる仲間などに活かせないかと思えてきて…。
それからWRAPとかIPSとかで、もちろん助けるといっても、神様とか仏様みたいに助けるのではなくて、仲間としてつながっていって一緒に元気になっていこう、そういうことを自分でも実践して、周りの人にもそういう姿勢とか態度とか考え方で接するようになってから、ほんとに劇的に元気になってきて。それが、やっぱりここ1年の自分の変化かなあと思います。」
「そうですね、すごく調子が悪かったときに、お医者さんが、私の親とかに言ったらしいんです、『お嬢さんは必ず治ります』と。私が、家の周りを夜な夜な徘徊して、家の中に火をつけたり包丁を持ち出すなどして、ものすごく荒れているときに、主治医が、『必ず治りますから』と、母や姉に言ったらしいんですよね。それをあとから聞いたときに、お医者さんって、そういうふうにどんなに荒れ狂って荒れ放題になっている人でも、治ると信じて診てくれていたんだなと思ったら、とても胸が熱くなって…、そういう気持ち、うれしいですね。
あと、『倉田さんには、可能性があるよぉ』とか。例えばこのWRAPの言葉にあるんですけれども。リカバリーには際限がないって、誰でも元気になれるし、元気であり続けることができると、文書に書いてあるんですけれども、ほんとにその言葉の通りだと思います。
『治るよ』と言われたのは、まだ、私が20代の半ばぐらいの頃、阪神大震災の頃。その頃ものすごく悪くて、そのときの主治医に治るよと言われて。それが自分の中でやっぱりちょっと心の中に残っていましたね。」