統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
A.T.さん
M.H.さん
1968年生まれ、44歳(収録時)。一人暮らしをしているが、支え合うパートナーがいる。大学卒業後、就職したが、23歳の時に誇大妄想が始まり、入院治療を受ける。就職して2年後に退職し、大学院(修士課程)に通う。その後、治療に専念するため就労したりしなかったりとなり、現在は2つの作業所に通いながら、ときに親の世話をするなどで日々の生活を送っている。パートナーの存在や、はんこを作る、小説を書く、絵を描くといった日々の暮らしの中で行っている事柄が支えになっているという。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>
3治療について
Q.入院中の心に残っているエピソードはありますか

「そうですね。病院でお風呂に入っている時ですかね、皆さんで。お湯か何かをぴしゃーって看護師の方がかけているんですよ。『これで洗え』とか、『これで頭洗えー』とか言って、シャワーをびゃーって出しているんですよ。それでさっさとせえへんかったら、えらいことになるから。揉め事になるのも嫌だったので、そのまま、されるままにしておりましたけれども。お風呂の時は、だいたいそうでした。」

Q.医療保護入院での治療で症状は良くなりましたか

「その病院だけで済まなかったんですよ。ちょっとした不祥事があって、私、転院になったんです。それでそのあとにお世話になった病院…、でも結局は医療保護入院のままでした。」

Q.転院した病院での入院期間は?

「半年弱だったですかね。(症状は)悪いままでした。“最悪”の状態から“悪い”の状態まで改善していたので、『じゃ、2年ほど、通院治療をしてもらいます』ということで退院になったのですが、その2年の通院治療中に主治医が独立してしまいまして。『どうするかね』と(主治医から)言われて、『じゃあ、開院するあなたのクリニックに通います』というので、病院からクリニックに変わったんです。

クリニックで、治療上の不一致と言ったらいいんでしょうかねぇ。非常に納得できないことを主治医に言われたことがあって、結局、病院に行かなくなったんです。当然薬も切れますよね。そうすると断薬状態になって、悪化する。また誇大妄想が働く、発生する、そういうループですよね。これはもういよいよいかんだろうということで、再入院ということです。

その時、家族が探してきた病院が4つ目の病院だったんですが、そこに入院をして治療していたんです。そのあとも通院治療をずっと続けていたのですけれども、また、若干悪化して、同じ病院に再々入院をしたんです。入院は、だから4回ですね。」

Q.現在の病院に通い出して何年ぐらいになりますか

「14年ぐらいですか。(主治医は)治療上の不一致で通わなくなった主治医を1人目とするならば、そのあとに3人、今で4人目です。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>