統合失調症と向き合う

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A.T.さん
M.H.さん
1968年生まれ、44歳(収録時)。一人暮らしをしているが、支え合うパートナーがいる。大学卒業後、就職したが、23歳の時に誇大妄想が始まり、入院治療を受ける。就職して2年後に退職し、大学院(修士課程)に通う。その後、治療に専念するため就労したりしなかったりとなり、現在は2つの作業所に通いながら、ときに親の世話をするなどで日々の生活を送っている。パートナーの存在や、はんこを作る、小説を書く、絵を描くといった日々の暮らしの中で行っている事柄が支えになっているという。
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11メッセージ
Q.同じ病を持つ方へメッセージをお願いします

「人間て、1回しか人生ないですから、思ったように生きればいいと思います。病気になったところで人生終わりませんし。むしろ若い頃に病気になって、統合失調症とかだったら、まず今の日本の医療だったら死にませんから。だいたい良くしてくれます、そのための病院ですから。で、統合失調症だと思ったらさっさと病院に行って、薬を飲めば、だいたいましになります。

ちょっと貧乏にはなりますけど、死にませんし。だから、死なないということは、明日があるということです。明日があるということは、人生全うするまで、明日があるということです。だから、今日を一生懸命生きて、明日もまた一生懸命生きればいいんだと思います。」

Q.家族にできることはありますか

「子どもの性格によります。子どもの性格というのは、親や兄弟姉妹ならば、日常生活のかなりの割合を一緒に過ごしているので、どんな人間かだいたい分かっているじゃないですか。離散していない限り。だから、日常生活かなりの割合で共に過ごした人間を見て、何も分からないわけはないので、異変には絶対に気がつくと思うんですよ。

気がついたら。で、『もしかしたら、これ、心の病?』とか思ったら迷うことなく、病院に連れていってください。間違えてもいいので。『間違えだった』と笑い話のほうがかえっていいですから。もしそうだったとなったら、適切に治療して。早いほうがいいので。早ければ、その後の人生ちゃんと再建できるので。」

Q.医療者へのメッセージをお願いします

「特に看護師さんや医師の方というのは、患者に治療計画を立てて、医療指導を施したり、医療介助をするわけですから、特に入院、軽いうちはそうですが、絶対的に力関係が上になります。どうしても、上になります。

自分が、力関係の中で手にしたその力というものを、良い方向に良心をもって行使してほしいと思います。手にした力を、自分の采配で、自分の私利私欲のために使うことも可能な力ですから、これは。だから、自分の中の良心というものを大事にしてほしいと思います。」

Q.インタビューに協力くださった理由を教えてください

「非常に言葉が悪いのですけど、まあ……全裸で走っているようなものですかね。つまり、もう何も失うものなど私にはないので。」

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