「病気の症状が出たのは、大学受験の浪人中なので19歳の頃です。その頃予備校に通っていたのですが、同じクラスの女子生徒から悪口を言われているように感じたり、誰もいないところから悪口が聞こえてくるように感じていました。また予備校の先生が自分のことを授業中に、自分にだけ分かるように、みんなの前で話しているようにも感じました。
さらにテレビや新聞で自分のことが書かれているように感じて、しかもそれが自分にだけ分かる暗号で伝えられているように感じていました。電車の中では、本当は誰もいなかったり、何もしていないはずの人が、自分に対して悪口を言ってきたりしているように感じたり、そういう幻覚というか、幻視、幻聴みたいなものを感じていました。
家の中では、自分のことを監視するために盗聴されていると思っていて、母親も盗聴グループの一員ではないかと思っていました。
そのような症状が現れていても、自分ではそれが本当のことだと思っていました。また、そのような症状の出る病気があるということも知らなかったので、母に対して『盗聴グループの一員なんでしょ?』というようなことを最後には言うようにもなっていました。
実はこのような症状が出ていても、勉強はなぜか、なぜかというか、まあ頑張ったためかできていました。ただし昔は簡単にできていた人づき合いが、その頃はひどく難しくなっていて…。大学に入った時に歓迎会があったのですが、その歓迎会もほとんど話すことができなくて。それから、大学生活ではほとんど人づき合いがありませんでした。
そんな中、大学2年生の1月頃に、とうとう勉強も手につかなくなってしまいました。それで母に対して盗聴グループの一員だと言ったり、母から見ておかしな言動があったので、母が私を心配して病院へと連れて行きました。」
「はじめに行った病院は2つ隣の市にあったクリニックなのですが、その病院の情報は、おそらく母が(インター)ネットで調べたものだと思っています。
同じ市にもクリニックはあったのですが、高校生時代に謎の頭痛に襲われた時に、そのクリニックにかかったことがありました。ただ、そこでの対応がイマイチ良くなかったので同じ市にあるクリニックには行きたくないと思い、2つ隣の市のクリニックに行きました。」
「受診前後にはやっぱり勉強が手につかなかったので、これから大学の授業はどうすればいいんだろうとか、社会に出るのが遅れるなということを思っていました。私は早く社会に出たいと思っていたので、それがひどく残念でした。」
「働きたいというのは、やっぱり働けばまずお金がもらえるというかなり大きなメリットがありまして…。また、なんて言うか、長い目で見て、やっぱり若いうちから働いていたほうが、将来的にも自分が成長できると思うし。
それから小さい頃というか学生時代は、非常にお金がなくて…。親が、あまりお小遣いをくれなかったこともあって、お金の大切さというのが身に染みていたということもありまして、早く働きたいと思っていました。」