「A病院のデイケアでは、リハビリを中心にやっていたのですが、自分でも本などを読んで、自分自身の考え方といいますか、認知の方法といいますか、そういうものや、また対人関係の行動をより改善できるような本を読んで、それを実行することに集中しました。
(本は)自分で見つけて、読んでいました。
病気については、最初の頃に、父や母が身につけた知識と、自分では2〜3冊ですね、病気については。漫画みたいなもので……、『私の母はビョーキです』、たしかそれだったと思います。それが非常に分かりやすかったですね。あとは『統合失調症』というズバリそのもののタイトルの新書みたいなものだとか、もう1冊は内容が難しくてよく憶えていないのですけど。
あと病院のパンフレットが、結構簡潔にまとめられていて、病気について、例えば100人に1人ぐらいの方がかかる病気ですよとか、そういう基本的な知識がまとまっていて、非常にためになりました。(それは)最初に行ったクリニックです。」
「もちろん、A病院でのデイケアでのリハビリで、受け持ちスタッフさんに温かく接していただいたことは、非常に役立っています。そういうベースがあった上で、リカバリーというか寛解(かんかい)というか、そういうものに役立ったと感じているのは、斉藤一人(ひとり)さんという方の著書です。
まず、(障害)年金がおりたのですが、ただ、これは自分の力で得たものではないと思っていたので、このお金は自分の病気を良くするためだけに使おうと思っていて、お金の使い道を考えた時に、別に全部使おうとか思ってはいなかったのですが、出会った本が斉藤一人さんの本でした。この本を読んだら、なんだか気持ちが楽になるし、自分の考え方や行動も変わっていったので、これは非常にいい本だと思って、一人さんの本をたくさん読みました。」
寛解(かんかい):病気の症状が継続的に消失した状態。再発する可能性もあり、治癒とは異なる。
「どれぐらいだったかな。やっぱり最初は体が動かなかったので、本を読むどころではなかったのですけど、それが2か月か3か月ぐらい経ったら、徐々に本が読めるぐらいになってきたので、その辺りからですかね、やっぱり。」
「いや、元々は全然ない。
学校では、小学校の頃に養護学校の方と交流みたいなことはあったのですが、それも精神というよりは身体障害者の方が多くて。精神障害者の方と関わったりそういう知識を得たりということは、ほとんどありませんでした。
やはり苦しんだ期間が、病院に行くまで2年以上、3年近くあったので、病気について知っていれば、もしかしたらもっと早く病院に行くことができたかもしれないですし、そういう意味では(経過が)全然違ったと思います。
早い人では中学生ぐらいから症状が出る方もいらっしゃるので、やっぱり中学生ぐらいから知っていてもいいのではないかと思います。」