統合失調症と向き合う

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S.C.さん
S.C.さん
1957年(昭和32年)生まれの57歳(収録時)。小学校の教員として勤務していた25歳時に体調を崩し精神科を受診する。抗うつ剤を飲むが、34歳の時に幻聴が出たことで入院。2回入院体験をする。教員を退職し、14年間、引きこもり生活を送った。福祉事業所との出会いで症状が安定し、現在は福祉事業所の運営するカフェ(就労継続支援B型事業所)で週5日働いている。障害年金、障害者手帳を取得。一人暮らし。福島県浜通り地方に住んでいたが、2011年3月11日に起こった福島第一原発事故により、現在は別の場所に避難中。
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7福島原発事故の影響
Q.作業所は移転されたそうですね

「実は、私は福島県浪江町に住んでいまして、原発事故のため、現在は福島県の二本松市に避難しています。コーヒータイムは、元々は浪江町にあった作業所なのですが、やはり原発事故とともに避難し、現在は二本松市で再開しています。

(利用者は)二本松に集まって来ました。ただ、県外に避難した方もいらっしゃるので、その方はやはり、その土地その土地の作業所や病院に行っています。

仲間は、地元の方を合わせて20名です。元々の浪江というか避難先から来た仲間は5名かな。あとは全部この二本松周辺の仲間になってしまいましたね。特にこの地元の方がどんどんどんどん来てくれて、新しい仲間が増えています。」

Q.避難中の症状はいかがでしたか

「最初は体育館に避難したのです。その時は薬が切れまして、幻聴さんと妄想くんがたいへん暴れまわりました。

体育館の布団の上にちょこんと座っていますと、『なんで座ってんだ、早く仕事しないか!』とか『トイレ掃除、仕事あっぺー!』とか、『早くお炊事当番しろ!』とか、そういう声が聞こえてきましたね。

そうですね、何かソワソワしてきますね。『ああ、ただぼんやりしていたらダメなんだ』と焦るというか、そういう感じです。」

Q.症状が悪化した期間はどれぐらいでしたか

「それは体育館に避難していた時、1か月弱ですね。体育館の次は二次避難と言いまして、今度は民宿さんにお世話になったのです。

家族と一緒です。家族単位で避難しました。

民宿さんには3か月ぐらいお世話になりまして、そのあとは二本松市に来まして、仮設住宅に入りました。

今、ここはアパートなのですが、福島県の借り上げ制度という制度を利用してのアパートで、いわゆるみなし仮設というような感じです。ここは2年前ですね。

本当に全国の皆様からの応援で、家具とかはみんな支援してもらった家具です。」

Q.避難中医療にはつながりましたか

「(医療には民宿に避難中に)つながりました。

いろいろあったのですが、突然、その近くの病院に行きまして…。紹介状も何もなく行きまして、お薬手帳だけはありましたので、それを持って薬をもらいました。今までと同じ薬。

やはり安心しまして、幻聴さんは今も残っているのですが、その体育館にいた時のようなひどい幻聴さんはなくなりました。」

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