「最初から辿ると、中学1年生の時に、担任の先生から、『精神科を受診するように』という強い勧めがあったのです。

なんて言うのですかね……、中学の1年生だったのですが、クラス内でいじめがあったのです。それで、どういうことか、私が、『自分が疑われている』というふうに非常に強く思い込んでしまったのです。ところが、実にその件は、のちにその被害者という方の自作自演と分かったので、加害者は、まあいないと言えばいない状態だったのですけれど、私のほうで、『私が疑われている』というふうに思い込んでしまって……。要するに、今現在も続いている症状ですけど、『被害妄想じゃないか』という指摘があって、精神科を受診したほうがいいという話があったのです。

自分で『症状がある』と分かるぐらいなら、問題は7割方解決なので（すが）、もちろんこちらは精神科に行く必要があるとはかけらも思いませんから。私よりもさらに、そういうことを言われて、両親も感情を害してしまったのですよね。

そもそも『被害妄想』とは、一般用語ですよね？精神科の症状として、被害妄想というものがあること自体を知らないし、受診の必要はかけらも感じなかったのです。だけど結構、精神科に行ってくださいとか、もう中学1年生ですけど、できればご両親も行って、みたいな話があったのですけど、『精神科ってのは絶対承服できない』ということがあって、その妥協案として、小児科の小児精神という形で（受診）。だから科としては小児科にあたるのですね。

受診して、その時にはっきり、現在この瞬間にまで続くキーワードの『被害妄想』という単語は、既にカルテに、13歳の時点で出ているのですけれど。結局両親は（病院に）行かないということで、私の、今はもう亡くなってしまった母方のおばあちゃんがついていってくれて。で、はっきり憶えているけれど、脳波とかも取りました。

年齢が若いこともあって、『今すぐ服薬ってことではないです』ということになり、少なくとも1年にいっぺんぐらい、できれば半年にいっぺんぐらい経過観察で来てくださいということがあったのですけど、とにかく両親も一緒に（病院に）行っていないし…、ま、そういうことになった場合、二度と行きませんね。それで、そのまま、症状自体はずっとあったのですけど、病気という認識がないですから…。

それで、大学3年生でしたけど、私、早生まれなので二十歳の時の秋に、大学の後期が始まって最初に行ったある日突然最悪の結果を迎えてしまって…。どういう経緯かも忘れたのですけど、突然、大学の中で意識を失ってしまって…。なぜかは分からないけれど、大学の敷地内に寮があったので、女子寮でちょっと寝ていて、もう1回起きた時にはもうおかしくなってしまっていました。

結局、激しい幻覚と幻聴なのですよね。もう、目の前の景色はぐるぐる回ってしまうし、私に対して話しかける声が聞こえてくるのです。今から思えば幻聴なのですが、私にとっては幻ではなく本当にその声が聞こえてくると思ったのです。

いったいどうやって（家に）帰ったのか……、よく遠距離通学で事故がなかったと思いますけれど。とにかくぐるぐる回ってしまう景色の中を、雲の中を歩いているような感じで、とにかく家には帰ったのです。それで、そのあと塾のアルバイトもあったのだけれど、とにかくそういう（行ける）状態ではないので、両親にとっては、私が突然おかしくなってしまったというので、翌日の明け方には病院に行ったのです。

『どこ』と別に行くあてもないですから、私の産まれた病院であり、子どもの頃から、一番最初の中1（中学1年生）の時にもかかった小児科もある総合病院が歩いて行けるところだったので、明け方そこに歩いていったという感じですね。急患ですね。それが最初ですね、はっきり、なんて言うのでしょうね、病気と、私の認識は分からないですけれど、両親も認識がある形で始まる最初ですね。当然のことながら即入院になってしまって……。そういう経緯ですよね。」