統合失調症と向き合う

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こだぬきさん
こだぬきさん
1967年(昭和42年)生まれ、48歳(収録時)。13歳で「被害妄想」の症状が出て小児科を受診する。20歳(大学3年生)の時に症状が悪化し、単科の精神科病院に入院する。大学では文化人類学を専門とし、2年遅れで大学を卒業する。その後、アルバイトをしながらスペイン語を勉学。2002年にペルー人男性と出会い、2003年に結婚。それを機に実家のある東京から地方都市に引っ越す。現在は、普通の主婦として週5日パートで働いている。在住する県の登録スペイン語医療通訳有償ボランティアも行っている。2012年に長男が誕生し、生後7か月から現在まで、ペルーの夫の妹の元で育っている。現在も「被害妄想」の症状がある。
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10医療・社会福祉資源について
Q.現在の医療についてどう思われますか

「もともとは医師が絶対者で、いいお医者さんということで、結局、患者さんのほうは、『お医者さんが時間を取って話を聞いてくれない』との悩みが常にあるみたいな状況がすごく長い間あったのですけれど、今新しい動きがあります。

それは、2012年の子どもの出産に関して、行政側、それから病院の中のいろんな職種、関係者が集まって、『今後』のことで関係者会議が開かれた時に、すごく感じたことでもあるのですけれど、お医者さんはチームリーダーに過ぎないのですね。チームリーダー兼服薬内容の決定の責任者である。そういうのがお医者さんであって、いろんな形の他職種のチームワークによる医療なのですね、今は。

それで、私の行っているクリニックは、まず保健師さんのいる精神科クリニック。それから精神保健福祉士さんがいる。それから看護師さんがいるのですけれど、非常に人気のある看護師さんで、よく分かっている上に話しやすい看護師さんがいるでしょう?女性の。それから受付もまたよく勉強していて、経験を積んだいい受付なのですね。そういうチームワークにより編成されている。それで、すぐ病院の裏に薬局があって、そこもまあ広い意味でチームワークの1つで、それがこれからの医療なのではないかなぁと思っています。

結局、『お医者さんがゆっくり話を聞いてくれない。3分診療だ』という長い間に渡る患者さん側の不満というのが、ついに終わりになる時が来ている。私、現在は13週に1回の受診なのですけれど、定点観測者なのですね、お医者さんは。それで、その時に着ていった服から持っていた持ち物から、表情からすべてから一瞬で見抜いて、カルテには書ききれない部分を自分の頭に残っている形が主治医だと思っています。ほんとにもう3分診療どころか、私は1分診療で十分だと思っています。それで実際に私も時計を見ながら、絶対に5分よりはかからない(ようにしています)。まったく向こうがそんなことは要求していなくて、むしろ話をよく聞いてくれるクリニックなので、私の意思でそうしているのです。

その代わりに、例えば実際に保健師さんに予約して、病院なら30分、訪問看護に来てもらったら1時間という形で、保健師さんに話をすれば、きちんと正式な形でカルテにも記載されるし、先生にも報告が行く。ちゃんと連携が取れている形で、ガス抜きとしての話を聞くことは絶対ないわけね。そういうのがこれからの医療の姿ではないかなぁと思います。」

Q.現在通院しているクリニックを知った経緯は?

「もともと私が向こうに行った時に、中心となる市と近隣の町とかが合同して建てている地域の病院の精神科の先生だった方が、地元にクリニックを開業なさったという経緯ですよね。」

Q.クリニック以外の社会資源で活用しているものを教えてください

「かつては、家庭の主婦ということで、社会福祉協議会から家事援助のヘルパーさんを頼んでいたのですけど、現在はすでに卒業生になっています。

あとは保健師さんですよね。市に所属する保健師さん、それから県の保健所の保健師さん、それから今はクリニックにも保健師さんのいるところに行っているでしょ?それから高血圧もあるので生活習慣病関係の保健師さんにもお世話になれば、妊娠出産もしたので、母子保健のほうの保健師さんにもお世話になるという形です。」

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