統合失調症と向き合う

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澤田優美子さん
澤田優美子さん
(さわだ ゆみこ)
1964年生まれの51歳(収録時)。高校入学直後の15歳の時にうつ症状を呈する。キリスト教を信仰するようになる。21歳の時に神経科を受診する。現在は、精神科に8週間に1回、睡眠障害外来に4週間に1回通院。大学院でピアサポートグループの研究をしながら、統合失調症などで成年後見制度をご利用の方の支援をするアルバイトを行っている。
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13メッセージ
Q.体験者やご家族へメッセージをお願いします

「私も、夢を見ているみたいな状態になって入院して、それから退院して3年以上寝たきり。で、今も体力がないのですけれども、それでも生きがいを持ったり、やりたいことをやったりできています。今は、良い薬もあったり、早期発見とかで良くなっている人もたくさんいます。そういうわけですので、患者さん、ご家族の方にはぜひ希望を持っていただきたいということ。

それとご家族の方は、ご自分の楽しみとか生きがいとか趣味とか、そういうものを持っていただきたいと思うのですね。私の母は親戚から『仕事を辞めて私についていたらどうか』と言われたこともあったのですけど、仕事を辞めませんでしたし、趣味も続けていて、それが良かったのですね。もし母が何もかも捨てて私についていたら、私も余計悪くなっていたと思いますし、母まで病んでしまったと思うのですね。まず、家族が元気になれば当事者も元気になれると思います。

母が言っていたのですけれども、母も私が国際会議に行くとか、大学の通信教育をやって名古屋や岐阜までスクーリングに行くとか、そういうことにとても心配をしていたのです。行って、具合が悪くて、寝ていて何もできないのではないかとか、すごく心配したらしいのです。でも、心配ばかりしていないで、やりたいことをやらせてあげたほうがいい、送り出してあげたほうがいいと母が言っていたのですけども、そうだなぁと思いますね。

私達は、小康状態を保つために生きているのではありませんので。リスクがあっても、そんな無茶なことをしてはいけないと思うのですが、そうでなければ、思い切ってやりたいことをやったほうが良いと思いますね。それで疲れてしまって具合が悪くなったとしても、入院したとしても、それも良い経験というか、勉強になりますし。

私も、再発したり具合が悪くなったりしたことで、大変なことにはなりましたけど、でもそのお陰で、『薬は飲み続けなきゃいけないんだ』と学びましたし。やはり、思い切ってやりたいことを当事者はやったほうがいいですし、ご家族は、送り出して、応援してあげていただきたいと思います。」

Q.医療従事者や医療体制に対するメッセージをお願いできますか

「最近は変わってきているそうなのですけれども、やはり精神科というと、お医者さんや看護師さんまでが偏見差別に遭っていた時代に精神科に従事してくださったこと、本当に感謝しております。」

Q.インタビューに協力しようと思われた理由を教えてください

「こんなことを言うのも何ですけども、この世の地獄を味わって、何度死のうとしたかも分からないのに、50(歳)過ぎまで生きられて、やりたいことを少しずつできるようになっているので、他の仲間や家族の方、いろんな方に希望を持っていただきたいと思って……。

夢を見ているみたいになってしまって、入院して寝たきりになったそんな人でも、こんなふうに回復できるのですよというところをお見せしたくて、インタビューをお受けしました。」

Q.あなたにとって、病気はどのような存在ですか

「最初にクリニックに行き始めて、先生の書いた本を早速買って読みまして、これも当てはまるこれも当てはまると思って、で、統合失調症も当てはまると思っていましたね。それで、私は自虐的でしたから、精神病は自分にふさわしいと思っていました。

で、一時期、錯覚して、精神病にかかる人というのは、何か選ばれた人なのではないかというようなことをちょっと思ったこともありましたけど、それはもう一瞬でして、辛い気持ちが99.99%ですね。

今、本当にもう疲れて、疲れて疲れて、眠くて、気分も滅入るし、辛いのですけど、治るものなら治りたいのです。でも、今、大学院で研究していますけれども、これで修了できたとして、私が健康だったら私が大学院を修了できても、多くの人に希望を与えることはできないと思うのですね。私が病気だからこそ、大学院を修了できたとしたら、多くの人の希望になるのではないかと思って、病気だからこそできることがあるなと思っています。」

Q.今、自分自身に言ってあげたいことはありますか

「照れくさいのですけれども、今までよく生きてきたねというか、よく頑張ったねというか…。これからもやりたいことできるよと。できなくても死ぬわけじゃないのだし、ここまで頑張ってきたのだからと、そう言ってあげようかなと思います。」

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