統合失調症と向き合う

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原 欣洋さん
原 欣洋さん
(はら のぶひろ)
1981年生まれの35歳(収録時)。21歳(大学3年生)の時に発症し、入院となる。大学を卒業後はいろいろな職種に就き、その後、精神保健福祉士の資格を取得して、事業所で働いた経験をもつ。妻と3人の子どもあり。インタビュー時は求職中だったが、2017年1月よりB型事業所の職業指導員として働き始めた。
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3入院
Q.入院時のことを憶えていますか

「目が覚めた時にはですね、私、警察に追われていると思い込んでいたので、警察だと思っていたのですよ、保護室なので。それで、暴れたりトイレを壊したりして……、あまり分かっていなかったので。そこで薬が、ちょっとずつ入って。ただ薬が合わなくて……。

それで、今憶えているのは、タバコが吸いたくて、ナースステーションの横が保護室だったのですけど、そのナースステーションの横にベッドがあって、そこで過ごしている患者さんがいらっしゃったのですよ。そこに、ポケットにタバコがあったので、『もう、吸いたい!』と大暴れしてガシっと(タバコを)つかんだ。その時、病棟長の人が出てきて、『そんなら吸わせてやる』と言って、保護室の中で、みんなに見守られる中、タバコを吸ったと思います、たしか……。割と理解のあるところでした。

(保護室は)きつかったですけど、ただ、私の考えは、症状が悪くなり始めて、できるだけ早く医療に結びついたほうが回復は早いと思っています。急いでうちの父と母が病院へと連れて行って、早めに医療に結びついたお陰で、私は、少なくとも回復は早かったのではないかなぁと思っています。」

Q.入院の経験は何回あるのでしょうか

「2回……、正確には3回なのですけど。その間の1回は、1週間ぐらいでもう嫌になって出てきます。それが、31(歳)ぐらいの時です。

最初の入院が2か月弱ですね。で、2回目の入院が1週間ぐらいで出てきて、その後に、やはりちょっと悪くなって、50日間入院しました。それで、合計3回です。」

Q.1回目の入院時の治療内容を憶えていますか

「最初は、古いタイプの薬を処方されて、飲める状態ではなかったので点滴でした。で、点滴が終わって、ま、終わってというか、なかなか、副作用で(薬が)合わなくて、新薬に変わって……。あとは、心理教育と通常の入院プログラムですね。(あと)カラオケとか、そういったものをしていました。

閉鎖(病棟)です。1週間か10日ぐらいで、夜は保護室だけれども、日中は一般病棟に出て、そのあと、まあ、空いたのか畳部屋でしたね、二人部屋でした。今はもうないと思います、そこは。大きな病棟があって、1部屋だけ畳部屋というところがありました。

2か月弱ですね。陽性症状はもう1か月ぐらいして、ほぼほぼ完全に治まって、あとは、割と落ち着いていて。で、あとはもう、入院中からデイケアに参加したり、カラオケで歌ったりして、退院することになりました。」

Q.統合失調症と診断されたのはいつですか

「21歳の頃に統合失調症の症状が出て、退院する時は、心因反応と名前がつけられていたのです。ただ、25(歳)ぐらいの時に、精神保健福祉手帳、いわゆる障害者手帳を取得する際にはいつの間にか統合失調症になっていました。まあ、自分も心理教育の中で、『統合失調症なんだろう』との自覚はあって……。それで、退院する時になぜか心因反応で、いつの間にかまた統合失調症になっていたという形になるかと思います。

最初、入院中に、心理教育で統合失調症の話を聞いた時には、びっくりしました。うつ病の友達とかは結構……、結構というか、いましたけども、統合失調症はなじみがなかったのでそこはびっくりしました。その時、薬の副作用で、よだれがダラダラなわけですから、ただびっくりしただけで、まあ、『よだれは出てるしぃ』みたいな感じですかね。」

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