統合失調症と向き合う

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瀬戸崇史さん
瀬戸崇史さん
(せと たかふみ)
1972年生まれの44歳(収録時)。26歳の時に眠れなくなり、心療内科を受診し、その後精神科を受診する。入院の経験は5〜6回。現在は、就労継続支援B型事業所で支援員として、週5日フルタイムで働いている。一人暮らし。以前は障害年金を受給していたが、現在は無い。
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3精神科病院に入院
Q.大学病院のICUから精神科病院に入院されたのでしょうか

「また同じことを繰り返すかも知れないということで、身体拘束されて、5日ぐらいICUにいたのかな。そのあと、『精神科をきちんと受診してください』と言われて、そこで初めて最初の精神科病院というものに入院しましたね。

その当時も、大学病院からは直接は紹介されなかったのですけれども、当時かかっていたクリニックで、『やっぱり入院が必要だよね』と言われて、いくつか入院施設がある病院を挙げてくれたのです。その中で受け入れてくれる病院ということで、ある病院に決めたという感じです。

当時、自分でははっきり意識がなかったのですよ。自分の意志とか、もう全然考えられないような状態で。親が、『じゃあ、ここにしよっか』みたいな感じで、そのまま従うという感じで入院しましたね。(入院期間は)3か月弱ですね。」

Q.入院中に受けた治療法を教えてください

「薬物治療と、あとは、OT(作業療法)に参加しましたね。入院中はあまりきちんと参加はしていなかったですけれども。その時の入院は、閉鎖病棟でしたね。

その時は、良くはならなかったですね、正直。その当時、だいたい1日に20錠近く薬を飲んでいたのです。そのような状況なので、頭も働かないし、体もだるかったということもあって、副作用がすごくあったのです。で、何もできない状態だったので、ほぼ1日中ベッドで寝ているしかなくて。でも、『ここにいたらダメになる』みたいな意識が自分の中ですごくあったのですね。

やはりそこでも自分の病気というものをあまり認められなかったところがあるのではないのかなぁと思うのですけれども。それで3か月ぐらい経って、たぶん入院して2週間〜3週間で、もう退院したいと言い出したと思うのですよ。その根っこにはやはり、『ここにいちゃいけないんだ』とか、『自分は病気じゃないんだ』みたいな意識がすごくあったように思うのですね。退院は3か月後ぐらいで、『じゃ、そろそろいいか……、いいでしょう』みたいな感じで退院をしましたね。」

Q.病名を知ったのはいつですか

「告げられたのは、いちばん最初の精神科病院に入院した時ですね。だから32(歳)とか、その時ですね。その病院で初めて『あなたは統合失調症です』と言われました。今の病院ではないです。

でも、その当時はまだ精神分裂病と言っていましたけど、『あ、そうなんだぁ』と。でもそれがどういう病気だとか、そういうのは自分ではちょっと分かっていなくて、『そういうものなんだなぁ』ぐらいの感じでした。」

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