統合失調症と向き合う

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瀬戸崇史さん
瀬戸崇史さん
(せと たかふみ)
1972年生まれの44歳(収録時)。26歳の時に眠れなくなり、心療内科を受診し、その後精神科を受診する。入院の経験は5〜6回。現在は、就労継続支援B型事業所で支援員として、週5日フルタイムで働いている。一人暮らし。以前は障害年金を受給していたが、現在は無い。
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7現在の服薬について
Q.現在、飲んでいる薬を教えてください

「2週間に1回のリスパダールコンスタの注射と、眠前のロヒプノールを2mgですね。頓服も出ていますけど、ここ何か月か全然使っていないですね。

副作用は、(今は)特にはないですね。コンスタに変わってから全然なくなりました。それまでは、リスパダールの液を、朝昼晩飲んでいたのですけど、そうすると、飲むとちょっとぼーっとしたり、アカシジアがあったのですけど、コンスタになってから全くなくなりましたね。

(コンスタになったのは)たぶん精神保健福祉士として仕事を始めて2年目とか3年目ぐらいの時ですかね。それからですから、もう5年近く処方は変わっていないですね。」

リスパダールコンスタ(リスペリドン持効性懸濁注射液):抗精神病薬。2週間隔で筋肉内に注射する
ロヒプノール(フルニトラゼパム):睡眠導入薬
アカシジア:副作用の錐体外路症状の一つで四肢にむずむずするような異常知覚を感じて、そわそわしてじっとしていられない状態になったり、焦燥感が出てくることもある。

Q.治療でいちばん辛かったのは?

「治療についてというのと、ちょっとずれるかも知れないですけど、やはり主治医とか看護師さんに、自分の思いを分かってもらえないとか、辛さを分かってもらえないなぁと感じた時は、いちばん辛かったですね。

例えば、実家から離れた病院に最初に入院した時に、もう、体も動かないし気力もないしというので1日中寝ていたのですね。寝ているしかなかったのですよ。その時、ある看護師さんが、『瀬戸さん寝てばかりいちゃだめですよ。他の患者さんとコミュニケーション取りましょう、少し起きましょう』と言われて、ここで、そんな声かけをされたのですね。

自分はもうそうするしかできなかったのですけど、なんかそういうな声かけをされて、ああ、ここでも自分はダメ人間なんだなぁと思ってしまって。そんな経験もあって……。

あとは、やはり、どうにも薬が嫌だったのですよ、副作用が辛かったし、頭ぼーっとしてしまうし。で、『先生、薬減りませんか』と言ったら、『統合失調症は薬飲むしか治療法ありませんから、ちゃんと言われた通り薬をきちんと飲んでください』みたいに言われた時も、やはり、ちょっと、絶望感に近いような感覚を覚えましたね。

今の先生の前の主治医というのが、いちばん、もう長く関わったのですよ。その先生は割合、良かったですね。そのいちばん関わりが長かった先生っていうのは、結構、自分の可能性も認めてくれたし、治療もすごく順序立ててというか理論的に説明してくれる先生だったのです。『瀬戸さんは今こういう状態だからこういう治療が必要だと僕は見立てます。だからこういう薬をこれだけ出しますね。それでたぶん症状は良くなっていったら次はこういう治療をしましょう』みたいな、そういう関わりをしてくれる先生だったのですよ。

だから、『ああ、この先生なんか分かってくれる』と思って、付き合い長かったのですけど。だからその先生と出会ってからは安心して任せていましたね。その先生の提案で、『じゃあ、コンスタといういい薬が今出たから、ちょっと瀬戸さんもそっちの薬にしてみたら、たぶん症状、さらに楽に仕事できるようになるよ』と言われて、それで切り替えましたね。

経口薬を飲んでいた時のほうが、例えば昼近くになるとなんか妙にイライラしてきたり、そういう症状の波が多かったと思いますね。」

Q.現在の状態をどのように受け止めていますか

「そうですね。たまにやはり、まあ、症状かどうか分からないですけど、なんかこういうところ生きづらさ抱えてるなぁとか、こういう点で困ってるなぁみたいなところも多少あったりするので。

なんか具体的には、やはり今でも人の目が気になったり、人の、ポンと何気なく発したような言葉であっても、すごく残ってしまっていろいろ考えてしまうという傾向はすごくあったりするので。ま、それが病気の症状なのか、性格的なものなのかはハッキリ分からないですけど。(それは子どもの頃から)多少はあったと思います。」

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