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② 直腸がんの手術

「直腸は大腸の中でいちばん肛門に近い部分で、肛門から約20cmの範囲の腸管のことです。直腸は、結腸とは違って骨盤という狭い空間に閉じ込められていて、前側には膀胱と、女性は子宮と膣、男性は前立腺があり、後ろ側は仙骨という骨があります。

直腸がんの手術は、結腸がんのようにお腹の表面に近い場所の手術ではなく、奥深いところ、ちょうど井戸の底の中にあるものを取り去るというような手術です。ですから一般的に直腸の手術は結腸よりも難しく、特に肛門に近いところは手術の難易度が高くなります。

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直腸がんの手術には大きく分けて2つあります。ひとつは肛門を残して肛門に近い直腸とS状結腸をつなぎ合わせる『括約筋温存手術』、もうひとつは肛門を含めて直腸を切り取ってしまう『直腸切断術(マイルズ手術)』です。これは肛門を取ってしまうため、S状結腸で人工肛門を作ることが必要になります。」

■Q & A
Q.直腸にはどのような働きがあるのでしょうか?

「直腸には、『便を最終的にためて肛門から出す』という大事な働きがあります。肛門の出口、直腸のいちばん下にある筋肉を『肛門括約筋』と言い、それが肛門をしめたりゆるめたりして、排便をコントロールしています。ですから肛門括約筋があることで便を垂れ流さず、ある程度自分の意思で排便を調整できるようになっている、非常に重要な働きをする筋肉なのです。」