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4直腸がん手術にともなう後遺症
●排尿機能障害

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「直腸の周りには自律神経がまとわりついていて、がんがその神経に広がっていると、がんを取り残さないようにするために神経を切らないといけなくなる可能性があります。

ただし、自律神経は骨盤の右と左に一対あり、片方が残っていれば一般的には排尿の機能は保たれると言われています。両方切ってしまうと、神経因性膀胱という感覚が弱くなった状態になりますが、片方が残っていれば一般的には排尿機能は保たれます。

直腸がん全体で約85〜90%の方は、排尿機能は問題なく温存されると言われています。残り15%ぐらいの方は、排尿の感覚があるかどうか、尿を出したあとどのぐらい膀胱に尿がたまっているかによって、今後の治療方針が変わってきます。多少残尿(排尿したあとも膀胱に残っている尿)がある方でも50cc以下だったらまず全然問題ありません。100ccだと少し多いですが、日常生活はある程度問題なく送れるだろうと思います。100ccを超える場合には、夜間、寝ている間に膀胱がパンパンに膨らんでいてもおしっこをしたいという尿意の感覚がわからない方がいます。残尿が多くなってくると膀胱炎につながりますので、そういう方は『自己導尿』を考慮する必要があります。」

■Q & A
Q.「自己導尿」とは?

「自己導尿は自分で外尿道口(尿の出るところ)から細い管を入れて、直接、膀胱の中までバルーンカテーテルという管を入れる場合と、それほど障害の程度が強くない場合には、専用のカテーテルを入れて排尿を繰り返す場合の2つの方法があります。程度が軽い場合には自己導尿でよろしいのですが、1日何回かやらないといけなくなりますから、少し手間がかかる可能性があります。」