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4直腸がん手術にともなう後遺症
●性機能障害

「直腸の周りには自律神経が取り巻いていて、その神経を傷つけることによって性機能障害が起こります。

一般的には下部の進行直腸がんで、骨盤の壁に近いほうのリンパ節(側方リンパ節)も一緒に取ってくる手術をすると、神経が障害される可能性があり、性機能障害が起こることがあります。男性の場合、性機能障害には勃起障害と射精障害と2つあり、仮に両側の自律神経を完全に残す手術をしたとしても、手術後、全体としてこの機能が保たれるのは70%ぐらいの割合になります。

手術後に性機能障害が起きた場合、性機能というのは精神的な要素が非常に大きいですから、半年後あるいは1年後という時間を待っていただいて、回復するかどうかを考えていただければよろしいと思います。精神的に緊張している場合、年齢的にご高齢の方の場合には、この障害の程度が強くなる可能性はあります。

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下部直腸がんで手術をした場合、お若い方ですと通常は機能は保たれることが一般的ですが、ご高齢の方はその機能障害の程度が少し強くなることは理解しておいていただいたほうがよいと思います。2年ぐらいの経過をみて戻らない場合には、専門の先生(大腸外科、泌尿器科)に『性機能障害をどうしたらよいか』と相談されたらよいと思います。」