「当院では、退院して先生のところに診察に来る初回に合わせて、ストーマの患者さんにストーマ外来の予約を入れてもらっています。基本的に1年間は注意して診ています。その後は状況に応じて(受診の)間隔を決めています。それ以外には、トラブルがあったときに臨時で受診していただいています。
『ストーマ外来リスト(日本創傷・オストミー・失禁管理学会)』というのが、ウェブ上で公開されているので、お近くにストマーケア外来がもしあるようであれば、一度相談されてみてもいいかもしれません。
患者さんのなかには、『もう絶対に人工肛門はいやだ』と言う方もいらっしゃいますが、選択肢としては人工肛門を作らざるをえない方もいらっしゃるので、そういうときにはWOCナース(ストーマにまつわる皮膚・排泄ケアの専門看護師)が介入して、『どんなことが心配なのか』『実際にどうなるのか』、また知らないことで不安にもなりますので『どのような情報が必要なのか』『なぜそんなにいやなのか』をお伺いして、そこを一緒に考えてゆき、ご説明するということをしています。」
「患者さんには、『自分がどういう生活をしていたのか』『どういうことをしたいと思っているのか』を教えていただきたいです。それに合わせて、『そういう生活をするためには、どういう工夫をしたらよいのか』を私たちが考えるためです。お仕事も『どのような仕事をしているのか』、お家で『どのような生活をしているのか』『どのようなスポーツをしているのか』をよく聞きます。教えてもらって、ストーマ造設前と同じような生活ができる工夫を一緒に考えていけたらよいなと思っています。」
「やはり最初は、ストーマでどういう生活になるのかもわからないし、特に急に手術になった場合、なかなか受け入れられない方もいらっしゃいますが、そういう方でも少しずつストーマのケアのことで、自分でできることが増えてきたり、ストーマをもって生活することがどんなことなのかなんとなくわかってきたりすると、少しずつ受け入れることができてくるかなという気はします。なので、こういうときは相談できるところがあるんだということを、わかってもらえればちょっと助けになるのかなっていうふうに思います。」