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吉川 敦子 さん
(よしかわ・あつこ)
静岡県立 静岡がんセンター
看護管理部門 看護師長
ストーマ外来において、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)として、主に大腸がん患者の人工肛門・人工膀胱(ストーマ)のケアにあたっている。
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5日常生活に関するQ&A
Q.高齢者でも、ストーマのケアは可能でしょうか?

「80代半ばなど高齢の方でも今は結構、人工肛門の手術をされています。作ったあとどうケアしていくかは、患者さんの状態を診てその方ができるケアを選択します。実際に83歳で、自分ですべてケアしている方もいらっしゃいます。たとえば装具は穴をあけないで済むようなもので、ただ貼るだけのものにするとか、どうしても難しければ家族にお願いしたり、訪問看護のサービスを使って、装具交換のときに合わせて訪問していただいたりということもしています。」

Q.装具をつけたまま、お風呂に入れるでしょうか?

「そうですね。つけたままでも、はずしてもらっても、便が出ない時間に合わせて入ってもらえれば構いません。もちろんつけたまま入っても、それで装具が外れることはまずないので、そのまま入ってくださいと説明しています。」

Q.プールには入れるでしょうか?

「スポーツクラブに行っている方もいて、その方は便が出る時間がある程度自分でわかっていて、便が出ない時間に合わせているのかもしれません。もちろん便を捨ててからですが、普通に装具を貼って水着を着て、普通に泳いでいる方もいらっしゃいます。あとは漁師さんでウェットスーツを着たりしなくてはいけない方も、装具を普通に貼って海に入っています。」

Q.子供を抱っこして、足が装具にあたってしまう場合は?

「自分のお子さんやお孫さんを抱っこするときに、お子さんの足がストーマを蹴ってしまうようなことがあり、どうしたらよいかという相談をときどき受けたりします。

そういうときには、足がストーマに直接あたらないように、抱っこをするときにタオルを挟んでもらったり、心配であれば抱っこしない。抱っこせざるをえないときもあるので、難しいですよね。あとは、お子さんがもうわかるような年齢であれば、一緒にお風呂に入ってお子さんに見せてあげて、『ここは蹴ったりしたらだめなんだよ』というお話をしてもらってもいいのかもしれないですね。あとはストーマ側に抱っこしないで、ストーマの反対側で抱っこすれば少しは直接蹴られることはないと思うので、そのようにご説明しています。」

Q.車のシートベルトが装具にあたってしまう場合は?

「ストーマの位置にシートベルトがあたらなければ、緩めにしてもらえればいいと思いますが、どうしてもストーマの位置にシートベルトが来てしまう場合は、タオルをたたんでシートベルトとの間に入れるとか、小さい専用クッションを用意してシートベルトとの間に挟んで、直接ストーマを圧迫しないようにしていただければ、シートベルトは着用していただいてよいと思います。」

Q.旅行はできますか?

「旅行の日程に合わせて装具交換を調整してもらうということですが、飛行機に乗っていただいても大丈夫です。あと気をつけることは、便がたくさんたまる前に捨てるということですね。」

Q.災害時に必要なものは何でしょうか?

「災害時に必要な物品としては、やっぱり災害時とか使えないので水と、ウェットティッシュ(アルコールにかぶれる方はノンアルコールのもの。お尻拭きでもよい)も用意していただいたほうがよいと思います。装具もいざというときに持ち出せるようにしておいたほうがよいと思います。

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『いざという時に頼りになるストーマ手帳』
災害時に限らず、自分が使っている装具が何かというのは、人に聞かれたときに答えられたほうがよいと思うので、どこかにメモしておいてほしいです。あとは災害時とか『いざという時に頼りになるストーマ手帳』というものもあり、その中に受診先、装具の種類を書いておいたり、災害時に必要な物品やストーマ装具名を書いておけるので、こういうのがあるといいかもしれません。」