「80代半ばなど高齢の方でも今は結構、人工肛門の手術をされています。作ったあとどうケアしていくかは、患者さんの状態を診てその方ができるケアを選択します。実際に83歳で、自分ですべてケアしている方もいらっしゃいます。たとえば装具は穴をあけないで済むようなもので、ただ貼るだけのものにするとか、どうしても難しければ家族にお願いしたり、訪問看護のサービスを使って、装具交換のときに合わせて訪問していただいたりということもしています。」
「そうですね。つけたままでも、はずしてもらっても、便が出ない時間に合わせて入ってもらえれば構いません。もちろんつけたまま入っても、それで装具が外れることはまずないので、そのまま入ってくださいと説明しています。」
「スポーツクラブに行っている方もいて、その方は便が出る時間がある程度自分でわかっていて、便が出ない時間に合わせているのかもしれません。もちろん便を捨ててからですが、普通に装具を貼って水着を着て、普通に泳いでいる方もいらっしゃいます。あとは漁師さんでウェットスーツを着たりしなくてはいけない方も、装具を普通に貼って海に入っています。」
「自分のお子さんやお孫さんを抱っこするときに、お子さんの足がストーマを蹴ってしまうようなことがあり、どうしたらよいかという相談をときどき受けたりします。
そういうときには、足がストーマに直接あたらないように、抱っこをするときにタオルを挟んでもらったり、心配であれば抱っこしない。抱っこせざるをえないときもあるので、難しいですよね。あとは、お子さんがもうわかるような年齢であれば、一緒にお風呂に入ってお子さんに見せてあげて、『ここは蹴ったりしたらだめなんだよ』というお話をしてもらってもいいのかもしれないですね。あとはストーマ側に抱っこしないで、ストーマの反対側で抱っこすれば少しは直接蹴られることはないと思うので、そのようにご説明しています。」
「ストーマの位置にシートベルトがあたらなければ、緩めにしてもらえればいいと思いますが、どうしてもストーマの位置にシートベルトが来てしまう場合は、タオルをたたんでシートベルトとの間に入れるとか、小さい専用クッションを用意してシートベルトとの間に挟んで、直接ストーマを圧迫しないようにしていただければ、シートベルトは着用していただいてよいと思います。」
「旅行の日程に合わせて装具交換を調整してもらうということですが、飛行機に乗っていただいても大丈夫です。あと気をつけることは、便がたくさんたまる前に捨てるということですね。」
「災害時に必要な物品としては、やっぱり災害時とか使えないので水と、ウェットティッシュ(アルコールにかぶれる方はノンアルコールのもの。お尻拭きでもよい)も用意していただいたほうがよいと思います。装具もいざというときに持ち出せるようにしておいたほうがよいと思います。
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